セルバーグゼータ函数

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

テンプレート:要改訳 セルバーグゼータ函数(Selberg zeta-function)は、アトル・セルバーグテンプレート:Harvs により導入された。有名なリーマンゼータ函数

ζ(s)=p11ps

の類似で、ここに 素数集合を表す。セルバーグゼータ函数は、素数の代わりに単純な閉測地線の長さを使う。Γ を SL(2,R) の部分群とすると、セルバーグゼータ函数は次のように定義される。

ζΓ(s)=p(1N(p)s)1,

あるいは、

ZΓ(s)=pn=0(1N(p)sn),

ここに p は素な合同類全体を渡り、 N(p) は合同類 p のノルムで、p のより大きい固有値の二乗である。

有限領域を持つ双曲曲面に対して、セルバーグゼータ函数が付帯している。この函数は複素平面上の有理型函数である。このゼータ函数は、曲面上の閉じた測地線の言葉で定義される。

セルバーグゼータ函数 Z(s) のゼロ点と極は、曲面のスペクトルのデータの言葉で記述することができる。

ゼロ点は次のような点である。

  1. 固有値 s0(1s0) を持つ全てのカスプ形式に対し、点 s0 にゼロ点を持つ。ゼロ点のオーダーは、対応する固有空間の次元に等しい。(カスプ形式とは、定数項がゼロのフーリエ展開を持つラプラス・ベルトラミ作用素の固有函数である。)
  2. ゼータ函数は散乱行列 ϕ(s) の行列式の全ての極でゼロ点を持つ。ゼロ点のオーダーは、散乱行列の対応する極のオーダーに等しい。

ゼータ函数は、1/2 で極をもち、点 で、極、もしくはゼロ点を持つ。

伊原のゼータ函数は、セルバーグゼータ函数の p-進類似(グラフ理論的な類似)と考えられている。

モジュラ群のセルバーグゼータ函数

Γモジュラ群として、曲面が Γ2 である場合には、セルバーグゼータ函数は、特に興味が持たれる。この特別な場合は、セルバーグゼータ函数が密接にリーマンゼータ函数と結びついているからである。

この場合は、散乱行列の行列式が次で与えられる。

φ(s)=π1/2Γ(s1/2)ζ(2s1)Γ(s)ζ(2s).

特に、リーマンゼータ函数が s0 でゼロ点を持つと、散乱行列の行列式は s0/2 で極をもつので、セルバーグゼータ函数は s0/2 でゼロ点を持つ。

参考文献