ノルム化可能空間
数学における位相線型空間がノルム付け可能であるとは、そのもともとの位相が適当なテンプレート:Ill2に一致するときに言う。ノルム付け可能な位相線型空間はノルム化可能線型空間あるいは短くノルム化可能空間(ノルムかかのうくうかん、テンプレート:Lang-en-short; ノルム可能空間)と呼ぶ。ノルム化可能空間は位相空間論および関数解析学において特に興味を持たれる。
定義
位相線型空間 テンプレート:Math がノルム化可能であるとは、テンプレート:Mvar 上のノルム テンプレート:Math が存在して、集合
の全体が、位相 テンプレート:Mathcal に関して零ベクトルの基本近傍系を成すときに言うテンプレート:Sfn
性質
一般に、ノルム化可能空間の位相は複数の異なるノルムから生成されうるが、二つのノルム テンプレート:Math および テンプレート:Math が同じ位相を生成するならば、それらは互いに同値であり、そのようなノルムを一つ選べば テンプレート:Mvar はノルム線型空間を成し、そのテンプレート:Ill2が テンプレート:Mathcal に一致するテンプレート:Sfn
ノルム付け可能性は、以下の操作を保存する:
- ノルム化可能空間の任意の部分空間はふたたびノルム化可能であるテンプレート:Sfn。
- ノルム化可能空間の閉部分空間による任意の商空間はふたたびノルム化可能であるテンプレート:Sfn。
- ノルム化可能空間からなる族の直積空間がノルム化可能であるための必要十分条件は、それら空間が有限個の例外を除くすべて零となることであるテンプレート:Sfn。
- ノルム化可能空間の完備化はふたたびノルム化可能であるテンプレート:Sfn。
他の空間との関係として:
- 任意のノルム化可能空間はテンプレート:Ill2である。ある意味逆の結果として、局所凸位相線型空間が距離化可能DF空間ならばノルム化可能である。[1]
- 局所凸位相線型空間の強双対が距離化可能であるための必要十分条件は、もとの空間がノルム化可能となることである。[2]
ノルム化可能性の判定
テンプレート:Ill2によれば、ハウスドルフ位相線型空間がノルム化可能となる必要十分条件は、有界凸な零近傍を持つことである。特に、任意のハウスドルフ局所凸空間は有界な零近傍を持てはノルム化可能である。
故に、ノルム化可能でない位相線型空間の例は、全て局所凸空間でない。特に、[[ルベーグ空間#0 < p < 1 の場合の Lp 空間|Lテンプレート:Sup(テンプレート:Closed-closed) (0 < p < 1)]] はそのような例である。また任意の無限次元モンテル空間、特にシュヴァルツ超函数論に現れる試験函数としての隆起函数の空間 テンプレート:Math, 急減少函数の空間 テンプレート:Math, 滑らかな函数の空間 テンプレート:Math, テンプレート:Ill2の空間 テンプレート:Math, 緩増加超函数の空間 テンプレート:Math, シュヴァルツ超函数の空間 テンプレート:Math なども同様の例になっている。さらなるノルム化可能でない位相線型空間の例は、弱位相 テンプレート:Mvar を無限次元ノルム空間 テンプレート:Mvar 上で考えることで与えられる。空間 テンプレート:Math がノルム化可能であるための必要十分条件は テンプレート:Mvar が有限次元なることである。
注
注釈
出典
関連項目
参考文献
外部リンク
- ↑ テンプレート:Nlab Proposition 3.1.
- ↑ テンプレート:Nlab duals