バナッハ関数空間
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可測関数のクラス、例えば(重み付き)ルベーグ空間、オルリッチ空間、ローレンツ空間は、関数解析の多くの分野で中心的な役割を果たし、これらの概念はバナッハ関数空間(バナッハかんすうくうかん、Banach function space、BFS)という抽象的なクラスの特殊なケースである。この空間は、関数の同士の順序をノルムで順応させるという特徴を有する。
定義
(の値を許す)ノルム空間に対し、写像が測度空間上の関数ノルムであるとは、次の条件を全て満たすことである。
- Ideal property:全てのに対し、 a.e.ならば
- Fatou property:全てのに対し、 a.e.ならば
- 全てのに対し、ならば
- 全てのに対し、ある実数が存在し、ならば
ただし、は-可測関数の全体の集合、は集合の指示関数を表すとする。 全てのに対してであるとき、は測度空間上のバナッハ関数空間と呼ばれる。
さらに、に対し、で定めたとき、写像をのassociateノルムという。自身がバナッハ関数空間となるとき、associate空間と呼ぶことにする。
性質
測度空間上の関数ノルムに対して、次のような性質が言える。
- -単関数はに属する。
- Fatouの補題が成り立つ。
- associateノルムは関数ノルムである。
- Hölderの不等式が成り立つ。
測度空間上のバナッハ関数空間に対して、次のような性質が言える。
- 全てのに対し、ならばあるが存在し。従って、は完備である。
- ノルム収束するならば、ほとんど至る所で各店収束する。
- ルベーグ測度において、
- ルベーグ測度において、二重associate空間はに等しく、互いの関数ノルムの値も一致する。
参考文献
- Colin Bennett and Robert C. Sharpley, Interpolation of Operators, Pure and Applied Mathematics Book 129, 1988.