ビニルアセチレン
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テンプレート:Chembox ビニルアセチレン(Vinylacetylene)は、化学式C4H4で表される有機化合物である。無色の気体で、かつて有機化学工業で用いられていた。分子内にアルキンとアルケンの両方を持つ。
ビニルアセチレンは、十分な濃度があれば(圧力にも依るが30mol%以上)、空気が存在しなくても爆発するため、非常に危険である。特に、C4炭化水素を加工する化学工場等の圧力が高い場所では危険である[1]。そのような爆発は、1969年にテキサスシティにあるユニオンカーバイドの工場で起こった[2]。
合成
ビニルアセチレンは、4級アンモニウム塩からホフマン脱離によって初めて合成された[3]。
通常は、1,3-ジクロロ-2-ブテンの脱ハロゲン化水素化によって合成される。また、アセチレンの二量体化や1,3-ブタジエンの脱水素化によっても生成する[4]。
利用
かつて、有機化学工業において重要なモノマーであったクロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)は、ビニルアセチレンを介して製造されてきた[5]。この過程で、アセチレンは二量体化してビニルアセチレンとなり、その後塩化水素と結合して4-クロロ-1,2-ブタジエンが生成される。これが塩化銅 (I)の存在下で2-クロロ-1,3-ブタジエンに再配置する[6]。
出典
- ↑ Ritzert and Berthol, Chem Ing Tech 45(3), 131-136, Feb 1973, reproduced in Viduari, J Chem Eng Data 20(3), 328-333, 1975.
- ↑ Carver, Chemical Process Hazards V, Paper F
- ↑ Richard Willstatter, Theodor Wirth "Uber Vinyl-acetylen" Ber., volume 46, p. 535 (1913). テンプレート:DOI
- ↑ テンプレート:OrgSynth
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ Manfred Rossberg, Wilhelm Lendle, Gerhard Pfleiderer, Adolf Togel, Eberhard-Ludwig Dreher, Ernst Langer, Heinz Rassaerts, Peter Kleinschmidt, Heinz Strack, Richard Cook, Uwe Beck, Karl-August Lipper, Theodore R. Torkelson, Eckhard Loser, Klaus K. Beutel, “Chlorinated Hydrocarbons” in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2006 John Wiley-VCH: Weinheim.テンプレート:DOI