フッ化バナジウム(III)

テンプレート:Chembox フッ化バナジウム(III)（フッかバナジウム さん、Vanadium(III) fluoride）は、化学式が VF₃ と表されるバナジウムのフッ化物である。暗緑色の固体で、酸化バナジウム(III)から二段階の反応で得られる。一段階目は、酸化バナジウム(III)とフッ化水素アンモニウムからヘキサフルオロバナジン(III)酸アンモニウムを合成する。

$\mathrm{V}{\phantom{A}}_2\mathrm{O}{\phantom{A}}_3+6(\mathrm{N}\mathrm{H}{\phantom{A}}_4)\mathrm{H}\mathrm{F}{\phantom{A}}_2⟶2(\mathrm{N}\mathrm{H}{\phantom{A}}_4){\phantom{A}}_3\mathrm{V}\mathrm{F}{\phantom{A}}_6+3\mathrm{H}{\phantom{A}}_2\mathrm{O}$

二段階目でヘキサフルオロバナジン(III)酸アンモニウムを熱分解することにより、フッ化バナジウム(III)が得られる。

$(\mathrm{N}\mathrm{H}{\phantom{A}}_4){\phantom{A}}_3\mathrm{V}\mathrm{F}{\phantom{A}}_6⟶3\mathrm{N}\mathrm{H}{\phantom{A}}_3+3\mathrm{H}\mathrm{F}+\mathrm{V}\mathrm{F}{\phantom{A}}_3$

アンモニウム塩の熱分解は、固体の無機化合物の一般的な合成法である。

テンプレート:Chem は テンプレート:Chem と HF の反応によって合成することもできる。テンプレート:Chem の固体は、バナジウム原子に6つのフッ素原子が配位している。2つの不対電子を持つため磁気モーメントを示す。