フッ化銀(I)

フッ化銀(I) （フッかぎん、silver(I) fluoride）は銀とフッ素の化合物である。赤褐色の固体であるが、湿った空気に晒すことで黒色に変化する。融点は435℃。他のハロゲン化銀とは異なり、水に非常に溶けやすく（水1Lに対して1.8kg以上）、アセトニトリルにもいくらか溶ける。炭酸銀とフッ化水素酸から作られる。

$\text{Ag2CO3}+2\mathrm{H}\mathrm{F}⟶\text{2AgF}+\mathrm{C}\mathrm{O}{\phantom{A}}_2+\mathrm{H}{\phantom{A}}_2\mathrm{O}$

フッ化銀(I) は、多重結合に対してフッ素を付加させる際に広く用いられている。たとえば、フッ素で置換されたアルケン に対してアセトニトリル中でフッ化銀(I)を作用させると、有機銀誘導体が得られる。

${\mathrm{R}}_{\mathrm{F}}\mathrm{C}\mathrm{F}\mathrm{=}\mathrm{C}\mathrm{F}\mathrm{2}+\mathrm{A}\mathrm{g}\mathrm{F}⟶\mathrm{R}{\phantom{A}}_{\mathrm{F}}\mathrm{C}\mathrm{F}(\mathrm{C}\mathrm{F}{\phantom{A}}_3)\mathrm{A}\mathrm{g}$

1価以外のフッ化銀も存在する（記事 フッ化銀 を参照のこと）。

外部リンク

• National Pollutant Inventory - Fluoride and compounds fact sheet