ブルンの篩

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ブルンの篩(ブルンのふるい、テンプレート:Lang-en-short、ブルンの純正篩とも[1])は、数学整数論における手法で、整数の集合から与えられた合同条件を満たすものを篩って残った集合の大きさを評価するもの。ヴィーゴ・ブルンによって創められた[2][3]

ブルンの篩は、包除原理を基礎としたものであることから、篩法では組合せ型(combinatorial type)に分類される。

定式化

Ax 以下のいくつかの正の整数からなる集合、P を(必ずしも全てではない)素数の集合(AP もいづれも元に重複はないものとする)とし、正の実数 z に対し P(z) を Pz 以下の元から成る集合とする。

P の元 p に対し ApA の要素で p の倍数でもある元の集合、更に P に含まれる異なる素数の積として表される任意の d に対し Ad を、d の全ての素数の約数 p に関する Ap の共通部分とする;A1A 自身を表すものとする:

  • Ap:={aA;p|a},
  • Ad:=p|dAp.

AP(z) によって篩われて残った集合を S で表す: テンプレート:Indent

評価例

  • Ad について、ある乗法的関数 w が存在して以下が成り立つとする;ここでX:=|A|.
    • |Ad|=w(d)dX+Rd,
    • |Rd|w(d).
  • 更に、ある定数C, D, Eに対し以下を仮定する。
    • P の任意の元 p についてw(p)<C,
    • pPzw(p)p<Dloglogz+E.

このとき以下が成り立つ[4]

テンプレート:Indent

ここで、 テンプレート:Indent で、b は任意の正の整数である。 特に十分小さな c に対して x を log z < c log x / log log x を満たすように取れば以下が成り立つ:

テンプレート:Indent


応用

  • 任意の正の偶数は、高々9個の素数の積で表される整数の和として表現できる[2]
  • 差が2であるような整数の組で、どちらの整数も高々9個の素数の積であるようなものが無限に存在する。
  • ブルンの定理:双子素数の逆数の和が収束することを述べた定理[5]
  • シュニレルマンの定理:全ての偶数は高々有限個の素数の和として表されることを述べた定理[6][7]

現在は陳の定理等、これらより強い結果が知られている。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

  1. テンプレート:Cite journal
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite journal
  3. テンプレート:Cite book
  4. テンプレート:Cite book Theorem 6.1.2.
  5. テンプレート:Cite journal
  6. Schnirelmann, L.G. (1930). "On the additive properties of numbers", first published in Proceedings of the Don Polytechnic Institute in Novocherkassk テンプレート:In lang, vol XIV (1930), pp. 3–27, and reprinted in Uspekhi Matematicheskikh Nauk テンプレート:In lang, 1939, no. 6, 9–25.
  7. Schnirelmann, L.G. (1933). First published as "Über additive Eigenschaften von Zahlen" in Mathematische Annalen (in German), vol 107 (1933), 649-690, and reprinted as "On the additive properties of numbers" in Uspekhi Matematicheskikh Nauk テンプレート:In lang, 1940, no. 7, 7–46.