ベイロネラ属

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テンプレート:生物分類表

ベイロネラ属の嫌気性グラム陰性球菌(1125倍)

ベイロネラ属(ベイロネラぞく、ベイヨネラ属ともいう。Veillonella)は、他のフィルミクテス門の細菌のほとんどがグラム陽性菌であるのとは異なり、グラム陰性(グラム染色でピンクに染色)の嫌気性球菌である[1]。この細菌は、乳酸を発酵する能力でよく知られている。哺乳類の腸管や口腔粘膜に所在する通常の細菌である。ヒトでは、ベイロネラ属は、骨髄炎および心内膜炎について、例えば、Veillonella parvula種が関係している場合がある。 Veillonella disparは、口腔内で最も硝酸塩を還元する細菌であり、生成される亜硝酸には抗菌作用がある[2][3]

代謝

ベイロネラ属は、乳酸をメチルマロニルCoA経路によってプロピオン酸酢酸に代謝する。この代謝ではATPはほとんど生成されない。高い基質親和性が理由であることが示唆されている。

3 乳酸酢酸 + 2プロピオン酸 + COA2+HA2O

ベイロネラ属の研究では、持久走の運動選手を対象として調査したところ、この細菌が腸内に比較的豊富に存在することが判明し、トレッドミルの走行時間の速度向上に関連していることが判明した。この効果は、乳酸から生成されたプロピオン酸の代謝機構によるものであることが実証された[4]

系統発生

現在受け入れられている分類法は、Standing in Nomenclature(LPSN)[5]およびNational Center for Biotechnology Information(NCBI)[6]のProkaryotic名のリストに基づいており、系統発生は、The All-Species Living Tree Projectの16SrRNAベースのLTPリリース111に基づいている [7]

テンプレート:Clade

歴史

本属のタイプ種は、1898年にフランスの微生物学者ベイヨン(Adrien Veillon、1864-1931)らによりStaphylococcus parvulus として記載された。1933年にフランスの微生物学者プレボ(André Romain Prévot)により、属名をベイヨンにちなんだVeillonellaと変更され、Veillonella parvulaと改名された [8]

Veillonellaの発音・日本語表記は、報告者名ベイヨンに従ってベイヨネラとする場合[9]と、ベイロネラとする場合[10]がある。 (英語でも同様に二通りの発音がある[11]。)

出典

参考文献