ロワの恒等式

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ロワの恒等式(ロワのこうとうしき、テンプレート:Lang-en-short, フランス経済学者テンプレート:仮リンクにちなむ)は、テンプレート:仮リンク理論およびテンプレート:仮リンクに応用を持つミクロ経済学の主結果の一つである。この等式(補題)はテンプレート:仮リンクテンプレート:仮リンク偏導関数とを結びつける。特に、間接効用関数が v(p,w) であるとき、財 i のマーシャル型需要関数は

xim=vpivw

と計算できる。ここで p は各財の価格ベクトルであり、w所得を表す[1]

導出

ロワの恒等式は、個々の消費者および個々の財 (i) についての需要関数を得るためにテンプレート:仮リンクを書き直したものである。

まず、間接効用関数 v(p,w) の変数であるないし所得 w に、テンプレート:仮リンク(expenditure function)を代入して得られる、下記のあたりまえの恒等式について考える。ここで効用u で表している:

v(p,e(p,u))=u

この等式は、価格の一覧(価格ベクトル p)と、その価格の下で効用 u を得るために必要な最小限の支出 e(p,u) に対して、得られる効用(間接効用関数の返り値)は u である、という意味である。

(効用の水準を一定に保ったまま)等式の両辺をある単一の財の価格 pi で偏微分すると

v[p,e(p,u)]we(p,u)pi+v[p,e(p,u)]pi=0

となる。これを変形すると

v[p,e(p,u)]piv[p,e(p,u)]w=e(p,u)pi=hi(p,u)=xi(p,e(p,u))

最後から2番目の等号はシェパードの補題から従い、最後の等号はテンプレート:仮リンクの基本的な性質から従う。

(微分可能な場合の)別証明

ロワの恒等式にはより簡潔な証明がある[2]。単純化のため、財が2種類の場合について述べる。

間接効用関数 v(p1,p2,w) は、次のラグランジュの関数

=u(x1,x2)+λ(wp1x1p2x2)

で特徴づけられるような、制約条件付き最大化問題の目的関数なのだから、テンプレート:仮リンクより、目的関数 v(p1,p2,w) のそれぞれのパラメータに関する偏導関数は

vp1=λx1m
vw=λ

のように計算できる。この x1m が最大値を与える解(つまり、財1についてのマーシャル型需要関数の値)である。これより、簡単な計算でロワの恒等式

vp1vw=λx1mλ=x1m

が得られる。

応用

この恒等式は、消費者の間接効用関数が与えられたとき、ある財に対するマーシャル型需要関数を導く一法を与えるものである。また、スルツキー方程式を導出する基礎にもなっている。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献