両耳間時間差

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両耳間時間差(りょうじかんじかんさ、interaural time difference, ITD)とは、ひとつの音源から発する音が左右の耳にとどく時間の差のことをいう。音源が正面より左側にあれば左耳に先に到達し、正面より右側にあれば右耳に先に到達する。

両耳間時間差のモデル

両耳間時間差と両耳間強度差とは比較的容易に制御できるため、1960年代あるいはそれ以前からよくつかわれてきた。両耳間時間差の代表的なモデルとしてはつぎの2つがある。

Kuhn[1]によれば、音速をc、周波数をf、人頭の水平な断面を円形としたときの半径をaとしたとき、k=2πf/cka<<1をみたすときは

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ka>>1をみたすときは

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である。たとえば、a=0.09c=340θ=π/2とすると、ITD=0.53msまたは0.79msとなる。

WoodworthとSchlosberg[2]は別の近似式をあたえているが、それによると

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である。たとえば、a=0.09c=340θ=π/2とするとITD=0.68msとなる。

参考文献

  1. Kuhn, G. F., "Physical Acoustics and Measurements Pertaining to Directional Hearing", in Yost, W. A. and Gourevitch, G.(eds), Directional Hearing, Springer-Verlag, pp. 3–25, 1987.
  2. Woodworth, R. S. and Schlosberg, R., "Experimental Psychology", Holt, Rinehard and Winston, pp. 349–361, 1954.

関連項目