二次閉体
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数学における体が二次拡大で閉じているまたは二次的に閉じている (テンプレート:En; 二次閉) あるいは二次閉体(にじへいたい、テンプレート:Lang-en-short)であるとは、その体の任意の元の平方根がその体の中でとれることを言うテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
例と反例
- 複素数体は二次閉体である。より一般に、任意の代数閉体は二次閉である。
- 実数体は二次的に閉じていない。なんとなれば テンプレート:Math の平方根は存在しない。
- 任意の非負整数 テンプレート:Mvar に亘る有限体 の合併は二次閉だが代数閉でない体の例となるテンプレート:Sfn。
- 作図可能数体は二次閉だが代数閉でないテンプレート:Sfn。
性質
- 体が二次閉となるための必要十分条件はテンプレート:Ill2が テンプレート:Math に等しいことである。
- 任意の二次閉体はテンプレート:Ill2だが逆は成り立たない(例えば、実数体 テンプレート:Mathbf はピタゴラスである)。ただし、任意の非形式的実ピタゴラス体は二次閉であるテンプレート:Sfn。
- 体が二次閉となるための必要十分条件は、そのテンプレート:Ill2が次元写像により テンプレート:Mathbf に同型となることであるテンプレート:Sfn。
- 形式的実テンプレート:Ill2 テンプレート:Mvar は二次閉でない(テンプレート:Math は テンプレート:Mvar の平方元でない)が、二次拡大体 テンプレート:Math は二次閉となるテンプレート:Sfn。
- 有限次拡大 テンプレート:Mvar で テンプレート:Mvar が二次閉となるとき、テンプレート:Math は テンプレート:Mvar の平方元かつ テンプレート:Mvar が二次閉となるか、さもなくば テンプレート:Math は テンプレート:Mvar の非平方元かつ テンプレート:Mvar はユークリッドである。この「下降」定理 ("going-down theorem") はテンプレート:Ill2から帰結することができるテンプレート:Sfn。
二次閉包
体 テンプレート:Mvar の二次閉包 (quadratic closure) とは テンプレート:Mvar を含む二次閉体であって、かつ テンプレート:Mvar を含む任意の二次閉体へ埋め込むことができるものを言う。かってな体 テンプレート:Mvar に対して、その二次閉包は テンプレート:Mvar の代数閉包 テンプレート:Math の部分体として構成することができ、それは テンプレート:Math における テンプレート:Mvar から任意のテンプレート:Ill2を繰り返して得られる体(二次拡大の塔)すべての合併であるテンプレート:Sfn。
- 例
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- 実数体 テンプレート:Mathbf の二次閉包は複素数体 テンプレート:Mathbf であるテンプレート:Sfn。
- 五元体 テンプレート:Math の二次閉包は二次拡大塔 の合併であるテンプレート:Sfn。
- 有理数体 テンプレート:Mathbf の二次閉包は作図可能数体である。