双球座標系の図。双極座標系の2つの焦点を結ぶ軸を中心に回転させることによって得られる。焦点は (x, y, z) = (0, 0, ±1)。赤、青、黄はそれぞれ σ = π/4、τ = 1/2、φ = π/3 の等値面である。黒の点は等値面の交点で、 (x, y, z) ≈ (0.841, -1.456, 1.239) である。
双球座標系(テンプレート:Lang-en)は3次元の直交座標系の一つで、2次元の双極座標系を、2つの焦点を結ぶ軸を中心に回転させたものである。そのため、双球座標系の2焦点は回転軸上の点として維持される。
定義
()を焦点とする双球座標 は以下のように定義される:
逆変換は
で、、 である。座標 は焦点 で、 は z 軸上で不定となる。
各座標の範囲は
である。
等値面
の等値面は
で表される。 のときはリンゴ(極がへこむ)、 のときはレモン(極が尖る)のような形状になり、 のときは球である。なお、 はそれぞれ z 軸の 、 に対応する。
の等値面は
で、 のときは交差しない2つの球である。なお、 は xy 平面、 は焦点 に対応する。
の等値面は半平面
である。
微分
双球座標系のヤコビ行列は
である。したがって計量テンソルは
である。
これより、微小体積要素は
となる。また、ラプラシアンは以下で与えられる:
応用
双球座標の古典的な応用例は偏微分方程式である。双球座標系でラプラス方程式を変数分離することはできるが、ヘルムホルツ方程式は分離できない。たとえば、2つの導体球がつくる電場を双球座標系で解くことができる。
参考文献
外部リンク