変位演算子

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量子光学における1つのモードの変位演算子(へんいえんざんし)とは、次のようなシフト演算子である。

D^(α)=exp(αa^αa^)

ここでαテンプレート:仮リンクでの変位の大きさ、α*はその変位の複素共役、a^a^生成消滅演算子である。 この名前は位相空間での局在状態を大きさαだけ変位できることに由来する。 また真空状態に作用することでコヒーレント状態に変位させる。

D^(α)|0=|α

|αコヒーレント状態で、消滅演算子の固有状態である。

性質

変位演算子はユニタリー演算子であり、次に従う。

D^(α)D^(α)=D^(α)D^(α)=1^

変位演算子のエルミート共役は逆の大きさ(α)の変位である。

D^(α)=D^(α)

生成消滅演算子に変位演算子による相似変換をすると、生成消滅演算子が変位される。

D^(α)a^D^(α)=a^+α
D^(α)a^D^(α)=a^α

2つの変位演算子の積も変位演算子である。位相因子は別として、2つの個々の変位を足し合わせたトータルの変位を行う。

D^(α)D^(β)=e(αβ*α*β)/2D^(α+β)

これはテンプレート:仮リンクを使うと証明できる(eαa^α*a^eβa^β*a^=e(α+β)a^(β*+α*)a^e(αβ*α*β)/2)。これが固有ケットに作用すると位相因子e(αβ*α*β)/2が現れるが、これは物理的には意味がない。[1]

別の表現

変位演算子を表す2つの方法がある。それぞれ、

D^(α)=e12|α|2e+αa^eα*a^
D^(α)=e+12|α|2eα*a^e+αa^

多重モードの変位

変位演算子は、多重モードの変位に一般化できる。 多重モードの生成演算子は次のように定義される。

A^ψ=d𝐤ψ(𝐤)a^(𝐤)

ここで𝐤は波数ベクトルであり、大きさは振動数ω𝐤とつながっている。

|𝐤|=ω𝐤/c

この定義を使うと、多重モード変位演算子は次のように書ける。

D^ψ(α)=exp(αA^ψαA^ψ)

また多重モードのコヒーレント状態は次のように定義できる。

|αψD^ψ(α)|0

脚注

  1. Christopher Gerry and Peter Knight: Introductory Quantum Optics. Cambridge (England): Cambridge UP, 2005.

関連項目

テンプレート:物理学の演算子