定常集合

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数学、特に集合論モデル理論において定常集合(ていじょうしゅうごう、テンプレート:Lang-en-short)という言葉には少なくとも三つの異なる意味がある。:

古典的な意味付け

κを非可算な共終数を持つ基数とするとき、部分集合Sκκの いかなるclub集合とも交わるならば、Sκ内の定常集合という。 定常でない集合は非定常集合という。

Sが定常でCがclubなら、その共通部分SCはまた定常である。 それは、Dをclub集合とするとCDはclub(二つのclub集合の共通部分はclub)であり、 (SC)D=S(CD)は空でない集合となる。 ゆえに、(SC)は定常である。

非可算な共終数に制限したのは無意味なものを避けるためである。κの共終数が可算であったとして、 Sκκ内で定常であるのはκSκ内で有界であることと同値である。 特に、κの共終数が ω=0であるなら任意の二つのκの定常集合の共通部分は定常である。

これはκの共終数が非可算なときは起こらない。 実際、κ正則基数Sκをその中の定常集合とすると、Sκ個の互いに交わりのない定常集合に分割できる。この結果はテンプレート:仮リンクによるもので、κ後続型基数のとき、 このことはスタニスワフ・ウラムによって、 いわゆるウラム行列(Ulam matrix)と呼ばれるものを使って容易に示された。

イェフによる意味付け

[X]λの部分集合にも定常集合の概念は定義される。 ここで、[X]λ[X]λ={YX:|Y|=λ}のことである。 S[X]λが定常であるとは、前者と同様にSが全てのclub集合と交わることをいう。 [X]λの部分集合がclubであるとは、の下で非有界かつ、 λ以下の長さの鎖の合併の下で閉じていることをいう。 この二つの定常集合の概念は一般には異なるが、X=ω1,λ=0とすると S[ω1]ωが定常であることと、 Sω1ω1の中で定常であることは一致する。

フォドアの補題はこの文脈でも同様に流用できる。

一般化された意味付け

三つめの意味は、モデル理論的な概念で、一般化された定常性として参照される。 この概念はテンプレート:仮リンク, テンプレート:仮リンク, サハロン・シェラハらによるものとされ、ヒュー・ウッディンによって顕著に使用された。

XXを空でない集合とする。C𝒫(X)がclubであるとは、 関数F:[X]<ωXC={z:F[[z]<ω]z}を満たすものが存在することを言う。 ここで[y]<ωyの有限部分集合全体による集合のことである。

S𝒫(X)𝒫(X)で定常であるとは、Sが𝒫(X)の全てのclub集合と交わることを言う。

モデル理論との関連を見る。Mを対象領域をXとする可算な言語上のストラクチャー、 FMへのスコーレム関数であるとすると、定常集合SMの初等部分構造をもつ。 実際、S𝒫(X)が定常であることは、任意のこのようなストラクチャーMに対して、Mの初等部分構造がSに属することと同値である。

関連項目

参考文献

Matthew Foreman, Stationary sets, Chang's Conjecture and partition theory, in Set Theory (The Hajnal Conference) DIMACS

Ser. Discrete Math. Theoret. Comp. Sci., 58, Amer. Math. Soc. , Providence, RI. 2002 pp. 73–94 File at [1]

外部リンク