平面三項環
テンプレート:翻訳直後 テンプレート:Technical 数学における代数構造 テンプレート:Math が空でない集合 テンプレート:Mvar とその上の三項演算 テンプレート:Math の組として与えられるとき、三項系と呼ぶ。テンプレート:Harvtxt は平面三項環(へいめんさんこうかん、テンプレート:Lang-en-short; PTR)または三項体 (テンプレート:De; テンプレート:En) 特別な種類の三項系を座標として用いて射影平面を構成した。平面三項「環」は、加法と乗法の定められる環類似構造を持つが、厳密には必ずしも環ではない。
用語法には広くバリエーションがある。本項に言う平面三項環を文献によっては別の呼び方をするし、また本項の言うものの変種を平面三項環と呼ぶものもある。短く三項環と言うとき、平面三項環の意味で用いる場合もあれば、より一般の(あるいは別の)三項系の意味であるかもしれない。
定義
テンプレート:Mvar は少なくとも相異なる二点(それを テンプレート:Math2 と書くことにする)を含む集合とするとき、写像 テンプレート:Math との組 テンプレート:Math が(右)平面三項環とは、写像 テンプレート:Mvar が以下の条件
- ;
- ;
- 方程式 はただ一つの解 テンプレート:Math を持つ;
- 方程式 はただ一つの解 テンプレート:Math を持つ;
- 方程式 はただ一つの解 を持つ
を満足するときに言う。同様に、左平面三項環は テンプレート:Math (T は右平面三項環の条件を満たす) によって定まる。
テンプレート:Mvar が有限集合のとき、公理 3. と公理 5. は公理 4. の存在のもとで同値であるテンプレート:Sfn
注意: テンプレート:Mvar に関する公理 1., 2. が対 テンプレート:Math に対して満たされているとき、対 テンプレート:Math を別の対 テンプレート:Math に取り換えた公理 1., 2. をも同時に満たすような テンプレート:Mvar は存在しない。その意味で テンプレート:Mvar と対 テンプレート:Math は一意に対応する。
三項環の代数構造
以下に定められる「二項演算」は必ずしも結合的でない。そのことを強調する意味で演算子は丸囲みのものを用いてあることに注意(つまり、以下は直和やテンソル積などではない)。
加法
テンプレート:Math は単位元 テンプレート:Math を持つテンプレート:Ill2を成す。
乗法
- .
集合 テンプレート:Math はこの乗法に関して閉じている。テンプレート:Math もまた単位元 テンプレート:Math を持つループになる。
線型三項環
平面三項環 テンプレート:Math が線型とは、 と書けるときに言う。例えば、定義により、テンプレート:Ill2 (quasifield)(ヴェブレン–ウェダーバーン系)に対応する平面三項環は線型である。[1]
関連する代数系
平面三項環がさらに余分に特定の代数的条件を満足するとき、別の名が与えられる。ただし、その名称に関して必ずしも広く定まったものでなく文献によって揺れがあることに注意すべきである。以下は テンプレート:Harvtxt による:
- 線型平面三項環はその加法ループが結合的(したがって加法群)となるときデカルト群 (cartesian group) と言う。デカルト群において、写像 テンプレート:Math および テンプレート:Math は テンプレート:Math なる限り置換でなければならない。(ここではデカルト群は加法に関して群を成すから、その意味で加法の記号に "テンプレート:Math" を用いた)
- (右)テンプレート:Ill2 (quasifield) テンプレート:Efn は右分配法則 を満足するデカルト群を言う。任意の準体において加法は可換である。
- (幾何学的)テンプレート:Ill2は左分配法則 も満たす準体(両側分配法則をみたすデカルト群)を言う。テンプレート:Efn
- 平面テンプレート:Ill2テンプレート:Efn (テンプレート:En; テンプレート:De) は乗法ループが結合的(したがって乗法群)となるような quasi-field を言う。必ずしもすべての概体が平面概体とは限らない。
射影平面との関係

平面三項環 テンプレート:Math が与えられたとき、点集合 テンプレート:Mvar と直線集合 テンプレート:Mvar を以下のように与えて射影平面を構成することができる:[2]テンプレート:Sfn (テンプレート:Math は テンプレート:Mvar に属さない余分の記号であることに注意)
直観的には、テンプレート:Math は座標 テンプレート:Mvar を持つ点、テンプレート:Math は傾き テンプレート:Mvar の原点 テンプレート:Math を出る直線(軸)上の無限遠直線上にある端点、テンプレート:Math は無限遠直線上の端点の一方(もう一方は テンプレート:Math)であり、また テンプレート:Math は テンプレート:Math と テンプレート:Math を結ぶ直線、テンプレート:Math は傾き テンプレート:Mvar の軸、テンプレート:Math は無限遠直線である。


射影平面のテンプレート:Ill2 テンプレート:Mvar は以下のように与えられる:
任意の射影平面は適当な平面三項環からこの方法で構成することができる。ただし二つの同型でない平面三項環から同型な射影平面が導かれることもある。
逆に任意の射影平面 テンプレート:Mvar から、どの三点も同一直線上にない四点 テンプレート:Mvar を選び出して、 テンプレート:Math となるような座標を導入することができてテンプレート:Efn、このとき三項演算は(テンプレート:Math 以外の)座標の関係式として テンプレート:Math となるための必要十分条件を、点 テンプレート:Math が無限遠点 テンプレート:Math から テンプレート:Math へ結んだ直線上にあることと定めることで得られる。射影平面を定義する公理系はこれが平面三項環を与えることを示すのに用いられる。 テンプレート:- 平面三項系が線型であることは、この付随する射影平面が特定の幾何学的条件を満足することに同値であるテンプレート:Sfn。また、
| 名称 | 座標環 | 幾何学的特徴付け | アフィン版 |
|---|---|---|---|
| 射影平面 | テンプレート:Math は平面三項環 | (射影平面の公理系) | アフィン平面 |
| テンプレート:Ill2 | テンプレート:Math が準体 | デザルグの小定理 | 平行移動平面 |
| デザルグ平面 | テンプレート:Math が斜体 | デザルグの大定理 | (アフィン)デザルグ平面 |
| パップス平面 | テンプレート:Math が体 | パップスの大定理 | (アフィン)パップス平面 |
より一般に、任意の射影平面 テンプレート:Mvar は以下の何れかのレンツ図形をちょうど一つ持つ:[3]
| 型 | レンツ図形 | 座標環 |
|---|---|---|
| I | 三項環 | |
| II | 直線 テンプレート:Math とその上の点 テンプレート:Math が存在して | デカルト群 |
| III | 直線 テンプレート:Math と点 テンプレート:Math が存在して
|
特殊デカルト群(常に無限群) |
| IVa | 軸 テンプレート:Math が存在して | 左準体 |
| IVb | 中心 テンプレート:Math が存在して | 右準体テンプレート:Efn |
| V | 軸 テンプレート:Math と中心 テンプレート:Math が存在して
. |
半体 |
| VII | 交代体 |
レンツ分類の細分化としてレンツ-バルロッティ分類が知られている[4][5]。各射影平面 テンプレート:Mvar は以下の分類のどれかちょうど一つに当てはまる:
| 型 | レンツ-バルロッティ図形 | テンプレート:Mvar に対応する三項環 |
|---|---|---|
| I.1 | 三項環 | |
| I.2 | 線型三項環、乗法が結合的 | |
| I.3 | 線型三項環、乗法が結合的 かつ左分配則を満たす | |
| I.4 | 線型三項環、乗法が結合的 かつ両側分配則を満たす | |
| I.6 | ここで、テンプレート:Mvar は テンプレート:Mvar を除く直線 テンプレート:Mvar 上の点集合 テンプレート:Math から 直線 テンプレート:Mvar を除く テンプレート:Mvar を通る直線集合への全単射である。 座標で書けば例えば テンプレート:Math. |
線型三項環、乗法が結合的 かつ両側分配則を満たし、 さらに特別な性質を持つ |
| II.1 | デカルト群 | |
| II.2 | 乗法が結合的なデカルト群 | |
| III.1 | 特別な性質を持つデカルト群 | |
| III.2 | 特別な性質を持つ、 乗法が結合的なデカルト群 | |
| IVa.1 | , 平行移動平面 | 左準体 |
| IVa.2 | 左概体 | |
| IVa.3 | ただし テンプレート:Mvar は、直線 テンプレート:Mvar からそれ自身への 不動点を持たない対合的全単射である。 |
明示的に定義された九元左概体 |
| IVb.1 | IVa.1. のレンツ-バルロッティ図形の双対 | IVa.1. の双対 |
| IVb.2 | IVa.2. のレンツ-バルロッティ図形の双対 | IVa.2. の双対 |
| IVb.3 | IVa.3. のレンツ-バルロッティ図形の双対 | IVa.3. の双対 |
| V | 半体 | |
| VII.1 | 交代体 | |
| VII.2 | 斜体 |
関連項目
注
注釈
出典
参考文献
- テンプレート:Cite book
- Rafael Artzy (1965) Linear Geometry, Chapter 4 Axiomatic Plane Geometry, Addison-Wesley.
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外部リンク
- ↑ テンプレート:PlanetMath
- ↑ R. H. Bruck, Recent Advances in the Foundations of Euclidean Plane Geometry, (1955) Appendix I.
- ↑ テンプレート:Cite web2 Tabellarische Übersicht über die Lenz-Klassen
- ↑ Prieß-Crampe V.5: Lenz-Barlotti-Klassifizierung angeordneter projektiver Ebenen
- ↑ テンプレート:Cite web2 Tabellarische Übersicht über die Lenz-Barlotti-Klassen