有効状態密度

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

半導体において有効状態密度とは、伝導帯電子密度や価電子帯正孔密度を表すときに用いられる状態密度である。

半導体のキャリア密度

オレンジ:半導体の状態密度(上は伝導帯、下は価電子帯)、青:フェルミ分布、緑:キャリア密度(上は電子、下は正孔)

伝導帯ECの電子密度nと価電子帯EVの正孔密度pは次のように与えられる。

n=1VECDC(E)f(E)dE
p=1VEVDV(E){1f(E)}dE

ここでDC(E)は伝導帯の状態密度、DV(E)は価電子帯の状態密度、f(E)フェルミ分布である。伝導帯の電子と価電子帯の正孔の状態密度は、自由電子の状態密度の質量を状態密度有効質量に置き換えるだけでよい。

DC(E)=V2π2(2me*2)3/2EEC
DV(E)=V2π2(2mh*2)3/2EVE

ここでme*は電子の状態密度有効質量、mh*は正孔の状態密度有効質量である。また温度について次式を仮定すると、フェルミ分布はボルツマン分布に近似でき、非縮退半導体となる。

ECEF>3kT
EFEV>3kT

ただしEFフェルミ準位である。これら結果、電子密度と正孔密度は次のように与えられる。

n=NCexp(EFECkT)
p=NVexp(EVEFkT)
NC=2(me*kT2π2)3/2
NV=2(mh*kT2π2)3/2

ここでNC伝導帯の有効状態密度NV価電子帯の有効状態密度と呼ばれる。また真性半導体フェルミ準位Ei真性キャリア密度niとすると、有効状態密度は次のように表せる。

NC=niexp(ECEikT)
NV=niexp(EiEVkT)

よって伝導帯の電子密度と価電子帯の正孔密度は次のように書ける。

n=niexp(EFEikT)
p=niexp(EiEFkT)

これより以下の関係が非縮退半導体について成り立つ。

np=ni2

参考文献

テンプレート:ページ番号