準線形効用関数

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テンプレート:経済学のサイドバー 準線形効用関数(じゅんせんけいこうようかんすう、: The quasi-linear utility)とは、1つの財について線形でその他の財について厳密に上に凸である効用関数のこと[1]

概要

一般的な準線形効用関数は以下のように書ける[1]テンプレート:Rp

u(x1,x2,,xn)=x1+θ(x2,,xn)

ただしθは厳密に上に凸な関数である[2]x1は通常はテンプレート:仮リンクとなる。このとき、効用最大化問題を解いて得られる需要関数x2,,xnは所得に依存しない(つまり所得効果がない)[3]

効用関数が準線形なとき、テンプレート:仮リンク(CV)とテンプレート:仮リンク(EV)と消費者余剰が等しくなる[3][4]メカニズムデザインでは、準線形効用関数を仮定することで経済主体がサイド・ペイメントで互いに補償し合える状況を考えることができる。

2財の例

一般形

以下のような効用関数を考える。

u(x,y)=x+θ(y)

これは、θが厳密に上に凸な関数であるとき準線形効用関数となる。予算制約式I=pxx+pyyの下で効用最大化問題を解くと、財yへの需要関数は

θ(y)=py

の解として定義できる。ただしpyは財yの価格である。これをyについて解くと

y(p,I)=(θ)1(py),

が得られ、所得水準Iに依存しないことがわかる。間接効用関数

v(p,I)=v(p)+I,

のように書ける。これはテンプレート:仮リンクと解釈できる[1]テンプレート:Rp

具体例

以下のような準線形効用関数を考える[2]

u(x,y)=x+y

予算制約式I=pxx+pyyの下で効用最大化問題を解くと、財xと財yの需要関数はそれぞれ

x=Ipx14pxpy
y=14(pxpy)2

となる。財yへの需要が所得水準Iに依存していないことがわかる。これらを効用関数に代入すると、以下のような間接効用関数が得られる。

v=Ipx+14pxpy

二次の副効用関数

ニュメレール財x0以外の財が連続体(英: continuum)上に複数のバラエティωを持ち、バラエティωの消費から得られる効用が二次の副効用関数として書ける準線形効用関数もある[5]

u=x0+αωΩx(ω)dω+βγ2ωΩx(ω)2dωγ2(ωΩx(ω)dω)2

ただし、Ωはバラエティの集合で、α>0β>γはパラメーターである。予算制約式I=p0x0+ωΩp(ω)x(ω)dωの下で効用最大化問題を解くと、個々のバラエティωの需要関数は所得水準Iに依存しない関数となる。

出典

テンプレート:Reflist

テンプレート:ミクロ経済学 テンプレート:国際貿易論