移流拡散方程式

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移流拡散方程式とは、移流方程式拡散方程式が組み合わされた、それらよりも一般的な流れを表す2階線型偏微分方程式である。

数学的表現

物理量φ(t , x )が、速度c で流れ、かつ拡散係数D拡散する場合の移流拡散方程式は次の式で表される:

ϕt+(𝒄ϕ)=(Dϕ)

解析解

1次元で、係数c , D が定数の移流拡散方程式

ϕt+cϕx=D2ϕx2

については、ラプラス変換を利用して解析解を求めることができる[1]。ここで、境界条件として次の単位ステップ関数を仮定する:

ϕ(t,0)=U0(t)={0(t<0)1(t0)
limxϕ(t,x)<(t0)

また、初期条件としては次を仮定する:

ϕ(0,x)=0(x0)

(実質的にt > 0, x > 0 の解にのみ興味がある。)

このとき、解は

ϕ(t,x)=12exp(c2Dx)[exp(c2Dx)erfc(12Dt(xct))+exp(c2Dx)erfc(12Dt(x+ct))]

となる。ここで、erfc(z )は相補誤差関数である。

定常解

上記からさらに、定常としたときの解析解はより簡単になる[2]。このとき移流拡散方程式は

cdϕdx=Dd2ϕdx2

である。x の範囲は区間 [0, L ] 内とし、境界条件として

ϕ(0)=ϕ0,ϕ(L)=ϕL

とする。この時の解析解は

ϕ(x)=ϕ0+exp(Pex/L)1exp(Pe)1(ϕLϕ0)

ただし

Pe:=cLD

と表される。ここでPeペクレ数Péclet number)といい、移流と拡散の比を表す無次元量である。

この解はとても簡単であるため、CFDにおいて解法の評価に用いられる。

参考文献

  1. 齋藤大作・星清、1997、移流拡散方程式の解析解(1)、開発土木研究所月報第533号、寒地土木研究所、http://kankyou.ceri.go.jp/houkoku/1997/11.pdf
  2. テンプレート:Cite

関連項目

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