規格化

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テンプレート:Otheruses 規格化 (きかくか、テンプレート:Lang-en-short) とは、ある空間で粒子が一つ存在し、それを記述する波動関数をΨとすると、Ψのノルムに関して、

|Ψ|2d𝐫=1

とすることである。正規化とも言う。積分は当該粒子の存在する全空間に対して行われる。積分の範囲は、その粒子のなす系に課された境界条件によって変わる。一つの例として周期的境界条件に基づく結晶格子では、以下のようにその単位胞内で規格化のための積分が行われる。

Vcell|Ψ|2d𝐫=1

ここで、Vcell は単位胞の体積である。

直交座標系を考えて、r=(x,y,z) とし、更に時間tも考えると、一粒子の波動関数は Ψ=Ψ(x,y,z,t)=Ψ(𝐫,t) で表され、これは、

|Ψ|2d𝐫=|Ψ(𝐫,t)|2d𝐫=1

と規格化される。これは、ある時刻tで粒子が位置 r での微小な領域 dr(=dxdydz) に存在する確率が、|Ψ(𝐫,t)|2d𝐫 であることを示している。それを全空間(粒子の存在しうる全領域)で積分すれば、確率の総和は1となる必要がある。この要請を満たすために規格化を行う。実際の数値計算等で求められる波動関数は、そのままでは上記の積分が1となる保証はないので、積分値が1となるように規格化される。

デルタ関数による規格化

実際の量子論では、自乗積分が∞に発散するような関数を扱うことも多い。

|ψk(𝐫,t)|2d𝐫=

その場合は、次のようなデルタ関数による規格化を許している。

ψk*(𝐫,t)ψk(𝐫,t)d𝐫=δ(kk)

この場合における|ψk(𝐫,t)|2は、ある時刻tで位置𝐫の測定をした時の確率密度p(𝐫,t)ではなく、次のように相対確率を表す[1]

p(𝐫,t)|ψk(𝐫,t)|2
p(𝐫,t)|ψk(𝐫,t)|2

参考文献

en:Normalizable wave function