酸化マンガン(III)

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テンプレート:Chembox 酸化マンガン(III)は、組成式がMn2O3で表される化合物である。

天然には、ビクスビ鉱(Bixbyite-(Mn))として産出する。

性質

二酸化マンガンを空気中で800℃以下で熱するとα-Mn2O3が生成する(より高い温度では酸化マンガン(II,III):Mn3O4が生成する)[1]。γ-Mn2O3は水酸化マンガン(II)を脱水および酸化することで合成できる[1]。数種のナノ結晶Mn2O3の合成法が報告されており、例えば、MnII塩の酸化またはMnO2の還元がある[2][3][4]

酸化マンガン(III)はアルカリセル中で酸化還元させることにより合成する。

2MnOA2 +ZnMnA2OA3 +ZnO

酸化マンガン(III)はオキシ水酸化マンガン(III)(MnOOH)と混同してはならない。Mn2O3はMnO2を熱することで生成される化合物であるが、それとは逆に、MnOOHは300℃で分解してMnO2を生成する化合物である[5]

構造

Mn2O3は他の遷移金属酸化物と異なり、コランダムAl2O3)構造をとらない[1]。一般に、α-Mn2O3とγ-Mn2O3の二種が構造が知られているが[6]、高圧条件ではCaIrO3構造が報告されている[7]。α-Mn2O3はC型希土類セスキ酸化物の立方晶系鉄マンガン鉱構造をとる(ピアソン記号 cI80, 空間群 Ia3, #206)。 この鉄マンガン鉱構造では少量のFe3+の存在が斜方晶系のMn2O3を安定化させている(ピアソン記号 oP24,空間群 Pbca, #61)[8]

γ-Mn2O3は酸化物イオンが立方最密構造をとる酸化マンガン(II,III)のスピネル構造に相関している。これは、γ-Fe2O3Fe3O4の関係に似ている[6]。γ-Mn2O3はネール温度39Kでフェリ磁性である[9]

出典

テンプレート:Reflist

テンプレート:マンガンの化合物

  1. 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Greenwood&Earnshaw
  2. テンプレート:Cite journal
  3. テンプレート:Cite journal
  4. テンプレート:Cite journal
  5. テンプレート:Cite journal
  6. 6.0 6.1 Wells A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry 5th edition Oxford Science Publications ISBN 0-19-855370-6
  7. High Pressure Phase transition in Mn2O3 to the CaIrO3-type Phase Santillan, J.; Shim, S. American Geophysical Union, Fall Meeting 2005, abstract #MR23B-0050
  8. テンプレート:Cite journal
  9. テンプレート:Cite journal