酸化銀(I)

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

テンプレート:Chembox 酸化銀(I)化学式テンプレート:Chemで表される化合物の一つ。黒から褐色の細かい粉末で、他の銀化合物の調製に用いられる。

合成

水酸化リチウムと希薄な硝酸銀との反応

銀イオン テンプレート:Chem を含む水溶液に水酸化物イオン テンプレート:Chem を含む物質を加えることで沈殿として得られる。具体的には、硝酸銀とアルカリ金属水酸化物等を用いて合成できる[1]。この反応では水酸化銀が生成するが、これはすぐに分解して酸化銀(I)と水になる[2]

2AgA++2OHAAgA2O+HA2O (pK = 2.875[3])

構造と性質

酸化銅(I)と同一の結晶構造を持つ。このために、化学反応によるものを除いてはあらゆる溶媒にほぼ不溶となっていると考えられる[4]。水にはテンプレート:Chemのような加水分解産物を生成してごくわずかに溶ける[5]

テンプレート:Chem懸濁液は次のように酸と反応する。

AgA2O+2HX2AgX+HA2O
HX = HFHClHBrHI・[[トリフルオロ酢酸|テンプレート:Chem]]

アルカリ塩化物水溶液と反応すると、対応するアルカリ水酸化物と塩化銀(I)が生成する[6][5]

アンモニア テンプレート:Chemチオ硫酸イオン テンプレート:Chem の水溶液には以下のように反応し溶解する。それぞれジアンミン銀(I)イオン、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオンといった錯イオンを生じる。

AgA2O+4NHA3+HA2O2[Ag(NHA3)A2]A++2OHA
AgA2O+4SA2OA3A2+HA2O2[Ag(SA2OA3)A2]A3+2OHA

多くの銀化合物と同様に感光性である。また、280℃以上では酸素に分解する[4]

2AgA2O4Ag+OA2

利用

有機化学では温和な酸化剤として利用され、例えばアルデヒドのカルボン酸への酸化に用いられる[7]。この場合は、硝酸銀とアルカリ水酸化物によってin situ で調製されることが多い。また、一酸化銀 テンプレート:Chemと同様に酸化銀電池に用いられる。

微細な電子回路の製造時に導電性材料として銀粉が用いられることがあるが、より粉末化の容易な酸化銀を用いて、加熱することで導電性の銀に変換する手法が開発されている[8]

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Commons category

外部リンク

テンプレート:銀の化合物 テンプレート:酸化物

  1. テンプレート:OrgSynth
  2. Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. テンプレート:ISBN2.
  3. テンプレート:Cite journal
  4. 4.0 4.1 Merck Index of Chemicals and Drugs, 14th ed. monograph 8521
  5. 5.0 5.1 テンプレート:Cite book
  6. General Chemistry by Linus Pauling, 1970 Dover ed. p703-704
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Citation