HLB値
HLB値(エイチエルビーち、テンプレート:Lang-en-shortテンプレート:Sfn[1]テンプレート:Efn2)は、非イオン性界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の度合いを表す値である。親水性親油性バランス(しんすいせいしんゆせいバランス)ともいう[2]。HLB値は0から20までの値をとり、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。
エマルションの生成において、界面活性剤(乳化剤)は、エマルションの生成しやすさや安定性、O/W型かW/O型かを決定する重要な因子であるテンプレート:Sfn。界面活性剤の分子構造によって、親水性・親油性のバランスが変化して吸着性に差が生じるためであるテンプレート:Sfn。このバランスの概念は、1949年にウィリアム・グリフィン (William Griffin) によって提唱された[1]テンプレート:Sfn。グリフィンは、経験則により非イオン性の界面活性剤にHLB値を与え、界面活性剤の選定基準とした。後に、HLB値を界面活性剤の構造により計算する方法がいくつか提案されたテンプレート:Sfn。本項目では、主な方法を示すテンプレート:Sfn。
グリフィンによる方法
グリフィンは、3つの関係式をそれぞれの化合物に対して与えたテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Efn2。
多価アルコールと脂肪酸のエステル(Span系)に対しては、式テンプレート:EquationNoteで算出できる。
ここで、テンプレート:Mvarはエステルの鹸化価、テンプレート:Mvarは脂肪酸の酸価である。
また、分子中にポリオキシエチレン鎖を含む場合(Tween系)に対しては、式テンプレート:EquationNoteで算出できる。
ここで、テンプレート:Mvarはポリオキシエチレン鎖(酸化エチレン)の重量分率、テンプレート:Mvarは多価アルコール基の重量分率である。
親水基としてポリオキシエチレン鎖のみを含む場合(Peregal系、Igepal系)に対しては、式テンプレート:EquationNoteで算出できる。
デイビスによる方法
デイビスは、分子の親水基、親油基の基数によってHLB値を算出する方法(式テンプレート:EquationNote)を提案したテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
ここで、テンプレート:Mathは親水基の基数、テンプレート:Mvarは親油基の個数、テンプレート:Mathは親油基の基数である。主に用いられる基数を表に示すテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
| 親水基 | 基数 |
|---|---|
| -SO4−Na+ | 38.7 |
| -COO−K+ | 21.1 |
| -COO−Na+ | 19.1 |
| N(四級アミン) | 9.4 |
| エステル(ソルビタン環) | 6.8 |
| エステル(遊離) | 2.4 |
| -COOH | 2.1 |
| -OH(遊離) | 1.9 |
| -O- | 1.3 |
| -OH(ソルビタン環) | 0.5 |
| 親油基 | 基数 |
|---|---|
| =CH- | -0.475テンプレート:Efn2 |
| -CH2- | |
| CH3- |
川上による方法
川上八十太は、分子の親水基、親油基の分子量によって、式テンプレート:EquationNoteに示す実験式でHLB値を算出する方法を示したテンプレート:Sfn。
ここで、テンプレート:Mathは親水基の分子量、テンプレート:Mathは親油基の分子量である。
界面活性剤の性質との関係

HLB値を用いると、分子の界面活性特性を予測でき、界面活性剤の性質や用途をある程度決定できるテンプレート:Sfnテンプレート:Sfnテンプレート:Sfn。
脚注
注釈
出典
参考文献
- テンプレート:Cite journal
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Cite journal
- テンプレート:Cite journal
- テンプレート:Cite journal テンプレート:フリーアクセス
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Cite book
- テンプレート:Cite journal テンプレート:フリーアクセス
- テンプレート:Cite journal テンプレート:フリーアクセス
関連文献
外部リンク
- 「HLB値」 - 化粧品用語集(日本化粧品技術者会)
- 「親水性-親油性バランス」 - 化粧品用語集(日本化粧品技術者会)
- テンプレート:JGLOBAL ID
- テンプレート:Kotobank