ヘリーの定理

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ユークリッド平面に対するヘリーの定理:凸集合の族に対し、どのような三つの集合を選んでも共通部分が空でないなら、その族全体も空でない共通部分を持つ。

数学離散幾何学の分野におけるヘリーの定理(ヘリーのていり、テンプレート:Lang-en-short)とは、凸集合がお互いに共通部分を持つ状況に関する基本的な結果である。エードゥアルト・ヘリーによって1913年に発見された[1]が、1923年まで出版されることはなく、その間に テンプレート:Harvtxtテンプレート:Harvtxt によって代替的な証明が与えられていた。ヘリーの定理を元に、テンプレート:仮リンクの概念が生まれた。

内容

テンプレート:Math とし、テンプレート:Mathテンプレート:Math の有限個の凸部分集合とする。それらの内 テンプレート:Math 個の任意の集合の共通部分が空でないなら、全体の共通部分も空でない。すなわち

j=1nXj

である。無限個の集まりに対しては、次のようにコンパクト性を仮定する必要がある:

テンプレート:Mathテンプレート:Mathコンパクトな凸部分集合の集まりとし、その濃度が高々 テンプレート:Math であるようなすべての部分集合の共通部分は空でないとする。このとき、全体の共通部分も空でない。

証明

テンプレート:Harvtxt の証明と同様に、テンプレート:仮リンクによる有限の場合の証明を始めに行う。すると無限の場合は、コンパクト性を特徴付ける有限交差性によって従う。すなわち、コンパクト空間の閉部分集合の集まりの共通部分が空でないための必要十分条件は、すべての有限の部分的な集まりの共通部分が空でないことなのである(ある単一の集合を固定した際、その集合と他のすべての集合との共通部分は、ある固定されたコンパクト空間の閉部分集合である)。

証明は数学的帰納法によって行われる:

基本となる場合 テンプレート:Math とする。仮定より、任意の テンプレート:Math に対して、テンプレート:Math すべてと テンプレート:Math の例外との共通部分に含まれる点 テンプレート:Math が存在する。今、テンプレート:Math凸包テンプレート:Math の凸包と交わる互いに素な部分集合 テンプレート:Math を持つ集合 テンプレート:Math} に対して、テンプレート:仮リンクを適用する。テンプレート:Mvar はそれら二つの凸包の共通部分にある点とする。次を示す:

pj=1nXj.

実際、任意の テンプレート:Math} を考え、テンプレート:Math を示す。テンプレート:Math に含まれない可能性のある唯一つの テンプレート:Mvar の元は テンプレート:Math である。テンプレート:Math であるなら、テンプレート:Math であり、したがって テンプレート:Math である。テンプレート:Math は凸であるため、テンプレート:Math の凸包を含み、したがって テンプレート:Math となる。同様に、テンプレート:Math であるなら、テンプレート:Math であり、したがって同様の理由で テンプレート:Math となる。テンプレート:Mvar はすべての テンプレート:Math に含まれるため、それらの共通部分に含まれるということになる。

上の例では、点 テンプレート:Math はすべて異なるものとして考えられていた。そうでない場合、すなわちある テンプレート:Math に対して テンプレート:Math であるような場合、テンプレート:Math はすべての集合 テンプレート:Math に含まれることとなり、再び共通部分は空でないと結論付けられる。以上で テンプレート:Math の場合は証明された。

帰納的な手順 テンプレート:Math とし、テンプレート:Math に対して定理の内容は成立しているものとする。上述の議論より、テンプレート:Math 個の集合の任意の部分的な集まりは空でない共通部分を持つ。すると二つの集合 テンプレート:Math および テンプレート:Math を単一の集合 テンプレート:Math に置き換えた集合の集まりを考えることが出来る。そのような新たな集まりに対して、テンプレート:Math 個の集合のすべての部分的な集まりは空でない共通部分を持つ。したがって帰納的な仮定を適用することが出来、そのような新たな集まりは空でない共通部分を持つことが示される。同様の手法を元の集まりに適用することで、証明は完成される。

関連項目

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献