ローターン方程式

ローターン方程式（ローターンほうていしき、ルーターン方程式、ロートハーン方程式、テンプレート:Lang-en-short）は、ハートリー-フォック方程式を、ガウス型やスレイター型の非直交基底で行列表示したものである。

すべての分子軌道や原子軌道が2つの電子で占められているような閉殻分子や原子で適用される。これは一般的に制限ハートリー–フォック（RHF）法と呼ばれる。

この方法はクレメンス・ローターンとテンプレート:仮リンクが1951年にそれぞれ独立に開発し、しばしばローターン–ホール方程式と呼ばれる。ローターン方程式は、非線形であるため標準的な固有値問題ではないが、テンプレート:仮リンクと似た形で書くことができる。

$𝑭𝑪=𝑺𝑪\mathit{ϵ}$

ここで$𝑭$はフォック行列、$𝑪$は基底の展開係数、$𝑺$は基底関数の重なり行列、$\mathit{ϵ}$は軌道エネルギーの対角行列である。

直交化された基底の場合、重なり行列$𝑺$は恒等行列となる。

ハートリー–フォック方程式が微分方程式であるのに対し、ローターン–ホール方程式は連立方程式であるため、より簡便に計算機を使って解くことができる。

フォック行列$𝑭$は、電子間相互作用項を含むため、軌道の展開係数$𝑪$および軌道の占有数に依存する。そのためハートリー-フォック方程式同様、セルフコンシステントに解く必要がある。

関連項目

• ハートリー–フォック方程式