トルクのソースを表示

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{{古典力学}}
[[File:Torque_animation.gif|thumb|right|220px|固定された回転軸をもつ系に対して、力を作用させた時の物理量の関係。力のモーメント <math>\vec{\tau}</math> と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と力 <math>\vec{F}</math> との関係（上の式）、および角運動量 <math>\vec{L}</math> と位置ベクトル <math>\vec{r}</math> と運動量 <math>\vec{p}</math> との関係（下の式）。]]

'''トルク'''（{{lang-en|torque}}）とは、[[力学]]において、ある固定された[[回転軸]]の周りにはたらく[[力のモーメント]]の回転軸方向の成分である。一般的には「ねじりの強さ」として表される。'''力矩'''、'''ねじりモーメント'''とも言う。

== 概要 ==
トルクは、[[力 (物理学)|力]]と[[距離]]の[[乗法|積]]（[[ベクトル積]]）で表される量（[[モーメント]]）である。力の[[単位]]はN（[[ニュートン (単位)|ニュートン]]）だが、トルクの単位は'''N・m'''（[[ニュートンメートル]]）である。<br />トルクは主に[[工学]]の分野、特に[[機関 (機械)|エンジン]]・[[電動機]]・[[発電機]]・[[タービン]]などの[[機械]]・[[機械工学]]などの分野で用いられることが多い。

[[てこ]]を使って物体を動かすために必要な力は、てこの[[支点]]からの距離に[[反比例]]する。このことは、てこに支持された物体を動かすために必要なトルクが一定であることと言い換えられる。

あるトルクは同じ軸のまわりの別の作用点に働くトルクで置き換えることができる。同じ軸を中心とするトルク同士を合成したり、またひとつのトルクを複数のトルクに分解することもできる。トルクを[[平行]]で同じ大きさを持ち、反対向きの2つの力に分解した時、その力を特に[[偶力]]とよぶ。

== 定義 ==
回転軸 Q の周りに[[力のモーメント]] {{mvar|'''N'''}} が作用するとき、トルクは
{{Indent|
<math>\tau =\boldsymbol{e}_\text{Q} \cdot \boldsymbol{N}</math>
}}
で定義される。ここで {{mvar|'''e'''}}{{sub|Q}} は回転軸 Q の方向の[[単位ベクトル]]である。

力のモーメントの定義 {{math|1={{mvar|'''N'''}} = {{mvar|'''r'''}} &times; {{mvar|'''F'''}}}} を用いれば、トルクが
{{Indent|
<math>\tau =\boldsymbol{F}\cdot (\boldsymbol{e}_\text{Q} \times \boldsymbol{r}) = F_\text{eff}\, \delta</math>
}}
と表わされる。ここで {{mvar|&delta;}} は腕の長さ、{{mvar|F}}{{sub|eff}} は回転に寄与する実効的な力の大きさである。
回転に寄与する力 {{mvar|F}}{{sub|eff}} が等しい時、腕の長さ {{mvar|&delta;}} が長いほうが物体を回転させる効果が大きい。

回転運動に関する[[運動方程式]]は力のモーメント {{mvar|'''N'''}} と[[角加速度]] {{mvar|'''&alpha;'''}}、および[[慣性モーメント]] {{mvar|I}} を用いて
{{Indent|
<math>I\boldsymbol{\alpha} = \boldsymbol{N}</math>
}}
と表わされる。回転軸が固定されている場合には、回転軸方向の成分だけ考えればよく
{{Indent|
<math>I \alpha = \tau</math>
}}
としてよい。

== 回転運動と直線運動 ==
回転運動に関する量には、直線運動で成り立つ[[法則]]に対応する類似の法則を見出すことができる。これは回転運動での量を、法則が類似するように定義したからである。トルクは「力」そのものではなく「力の[[モーメント]]」であり、慣性モーメントは質量に距離の2乗をかけたものである。<!--対応する量は[[次元]]からみて別のものであることに注意する必要がある。-->

{{回転運動と直線運動の対応一覧}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat}}
{{Wikidata property}}
* [[角運動量]]
* [[角運動量保存の法則]]
* [[力のモーメント]]
* [[バリニオンの定理]]
* [[ジャイロスコープ]]
* [[慣性計測装置]]
* [[トルクコンバータ]]
* [[トルクレンチ]]
* [[トルクドライバー]]
* [[トルクセンサ]]

== 外部リンク ==
{{Cite jis|Z|8000-4|2022|name=量及び単位－第４部：力学}}

{{古典力学のSI単位}}

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:とるく}}
[[Category:回転]]
[[Category:物理量]]
[[Category:力学]]