トルク

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固定された回転軸をもつ系に対して、力を作用させた時の物理量の関係。力のモーメント τ と位置ベクトル r と力 F との関係(上の式)、および角運動量 L と位置ベクトル r と運動量 p との関係(下の式)。

トルクテンプレート:Lang-en)とは、力学において、ある固定された回転軸の周りにはたらく力のモーメントの回転軸方向の成分である。一般的には「ねじりの強さ」として表される。力矩ねじりモーメントとも言う。

概要

トルクは、距離ベクトル積)で表される量(モーメント)である。力の単位はN(ニュートン)だが、トルクの単位はN・mニュートンメートル)である。
トルクは主に工学の分野、特にエンジン電動機発電機タービンなどの機械機械工学などの分野で用いられることが多い。

てこを使って物体を動かすために必要な力は、てこの支点からの距離に反比例する。このことは、てこに支持された物体を動かすために必要なトルクが一定であることと言い換えられる。

あるトルクは同じ軸のまわりの別の作用点に働くトルクで置き換えることができる。同じ軸を中心とするトルク同士を合成したり、またひとつのトルクを複数のトルクに分解することもできる。トルクを平行で同じ大きさを持ち、反対向きの2つの力に分解した時、その力を特に偶力とよぶ。

定義

回転軸 Q の周りに力のモーメント テンプレート:Mvar が作用するとき、トルクは テンプレート:Indent で定義される。ここで テンプレート:Mvarテンプレート:Sub は回転軸 Q の方向の単位ベクトルである。

力のモーメントの定義 テンプレート:Math を用いれば、トルクが テンプレート:Indent と表わされる。ここで テンプレート:Mvar は腕の長さ、テンプレート:Mvarテンプレート:Sub は回転に寄与する実効的な力の大きさである。 回転に寄与する力 テンプレート:Mvarテンプレート:Sub が等しい時、腕の長さ テンプレート:Mvar が長いほうが物体を回転させる効果が大きい。

回転運動に関する運動方程式は力のモーメント テンプレート:Mvar角加速度 テンプレート:Mvar、および慣性モーメント テンプレート:Mvar を用いて テンプレート:Indent と表わされる。回転軸が固定されている場合には、回転軸方向の成分だけ考えればよく テンプレート:Indent としてよい。

回転運動と直線運動

回転運動に関する量には、直線運動で成り立つ法則に対応する類似の法則を見出すことができる。これは回転運動での量を、法則が類似するように定義したからである。トルクは「力」そのものではなく「力のモーメント」であり、慣性モーメントは質量に距離の2乗をかけたものである。

回転運動と並進運動の対応一覧
回転運動 並進運動
力学変数(ベクトル) 角度 θ 位置 𝒓
一階微分(ベクトル) 角速度 ω=dθdt 速度 𝒗=d𝒓dt
二階微分(ベクトル) 角加速度 α=dωdt 加速度 𝒂=d𝒗dt
慣性(スカラー) 慣性モーメント I 質量 m
運動量(ベクトル) 角運動量 𝑳=𝒓×𝒑 運動量 𝒑=m𝒗
力(ベクトル) 力のモーメント 𝑵=𝒓×𝑭 𝑭
運動方程式 Id2θdt2=𝑵 md2𝒓dt2=𝑭
運動エネルギー(スカラー) 12Iω2 12mv2
仕事(スカラー) 𝑵Δθ 𝑭Δ𝒓
仕事率(スカラー) 𝑵ω 𝑭𝒗
ダンパーばねに発生する力を
考慮した運動方程式
Iα+cω+kθ=N ma+cv+kx=F

関連項目

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外部リンク

テンプレート:Cite jis

テンプレート:古典力学のSI単位

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