ビーティ数列
数学におけるビーティ列(ビーティれつ、テンプレート:Lang-en-short)とは、1 より大きい無理数の整数倍の床関数をとることによって得られる整数列である。ビーティ列の名称は、1926年にそれらについて著したテンプレート:Ill2に因む。
レイリー卿に名を因むレイリーの定理は、ビーティ列の補集合(ただし全体集合は正整数からなる集合)がそれ自身別の無理数で生成されるビーティ列となることを述べる。
ビーティ列はテンプレート:Ill2の生成にも用いられる。
定義
正の無理数 テンプレート:Mvar はビーティ列 テンプレート:Math2 を生成する。
テンプレート:Math2 ならば テンプレート:Math2 もまた 1 より大きい無理数で、これら2つは等式 テンプレート:Math2 を満たす。これらが生成する2つのビーティ列 テンプレート:Math2 はビーティ列の相補対を成す。ここに「補」("complementary") は任意の正整数がこれら2つの列のうちどちらかちょうど1つに属することを意味している。
例
(例1)
テンプレート:Math2 を黄金比とすれば、テンプレート:Math2 である。これに対するビーティ数列の内、テンプレート:Math は下ワイソフ列
であり、補列 テンプレート:Math は上ワイソフ列
である。これらの列はワイソフのゲームの必勝形を与え、テンプレート:Ill2の定義に用いられる。
(例2)
テンプレート:Math2 とすると、テンプレート:Math2 となる。これに対するビーティ数列は
(例3)
テンプレート:Math2 とすると、テンプレート:Math2 となる。これに対するビーティ数列は
歴史
ビーティ列がその名で呼ばれるようになるのは、1926年に雑誌 テンプレート:Ill2においてテンプレート:Ill2 が提起した問題に由来する[1][2]。この問題はおそらく、その雑誌に提案された中でも最も引用される問題の一つである。しかし、それよりもずっと以前の1894年に、同じ数列がレイリーの著書 The Theory of Sound[3]の第二版で簡単に言及されている。
レイリーの定理
テンプレート:Main レイリーの定理(またはビーティの定理)とは、与えられた任意の無理数 テンプレート:Math2 に対し、無理数 テンプレート:Math2 が存在して、2つのビーティ列 テンプレート:Mvar は正整数全体の成す集合を分割し、各正整数はこの2つの整数列のうちちょうど一方に属する[3]テンプレート:Rpという定理である。
性質
- 命題
- テンプレート:Math2 となるための必要十分条件は
なることである。ここに、テンプレート:Math は テンプレート:Mvar の小数部分 テンプレート:Math2 である。
- 証明:
さらに言えば、 なる条件とも同値である。
- 証明:
スツルム文字列との関係
無理数 テンプレート:Mvar に付随するビーティ列 テンプレート:Math の第一階差 テンプレート:Math2 は、字母集合 テンプレート:Math2 上のテンプレート:Ill2である。
一般化
テンプレート:Ill2はレイリーの定理を一般化するもので、整数函数およびその逆函数から定義されるより一般の列の対が、同じ整数全体の集合の分割性質を持つことを示す。
テンプレート:Ill2の定理は、正の実数 テンプレート:Math2 に対し テンプレート:Math が全ての整数をちょうど一つずつ含むならば テンプレート:Math2 であることを述べる。つまり、3つ以上のビーティ列の組に関するレイリーの定理と同等の定理は存在しない[4][5]。
出典
関連文献
- テンプレート:Cite journal
- テンプレート:Cite journal Includes many references.
外部リンク
- テンプレート:Mathworld
- Alexander Bogomolny, Beatty Sequences, Cut-the-knot