多重線型交代写像

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数学のより具体的には多重線型代数における多重線型交代写像(たじゅうせんけいこうたいしゃぞう、テンプレート:Lang-en-short)または交代多重線型写像 (alternating multilinear map) あるいは短く交代写像 (alternating map) とは、その引数がすべて同一の空間に属する多重線型写像であって、その任意の(相隣る)引数が等しいとき必ず零となるようなものを言う。終域が係数体(あるいは係数環)であるときには、多重線型交代形式や交代多重線型形式などと呼ぶ。

交代化の概念は、引数がすべて同一の空間に属する任意の多重線型写像から多重線型交代写像を得ることに利用できる。

定義

f:VnW の形の多重線型写像交代的であるとは、以下の同値な条件の何れか一つ(したがって全部)を満足するときにいう:

  1. 適当な 1in1xi=xi+1 となるならば f(x1,,xn)=0.テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn
  2. 適当な 1ijnxi=xj となるならば f(x1,,xn)=0.テンプレート:Sfnテンプレート:Sfn
  3. x1,,xn線型従属ならば f(x1,,xn)=0.

  • リー代数におけるリー括弧積は交代双線型写像である。
  • 行列の行列式は、行列の行または列を引数と見れば、多重線型交代形式である。

性質

テンプレート:Mvar 上のベクトル空間 テンプレート:Mvarテンプレート:Mvarテンプレート:Mvar-次元として、テンプレート:Mvar の(順序付けられた)基底 e:=(e1,,en) をとる。テンプレート:Mvar の任意のベクトルを xj=i=1nXi,jei の形に書くとき、これらベクトルの テンプレート:Mvar-組 (x1,,xn)Vn における テンプレート:Mvar-重交代写像 f:VnW の値は、多重線型性と交代性(反対称性)により f(x1,,xn)=(σ𝔖nε(σ)j=1nXσ(j),j)f(e1,,en)=dete(x1,,xn)f(e1,,en) と展開して計算できる(𝔖nテンプレート:Mvar-次対称群テンプレート:Mvar置換の符号、函数 テンプレート:Math は順序基底 テンプレート:Mvar に関する表現行列 テンプレート:Math行列式である)。したがって、ベクトル f(e1,,en)(これは テンプレート:Mvar の任意の元をとりうる)が分かれば、テンプレート:Mvar の決定には十分である: テンプレート:Math theorem また テンプレート:Mvar のときを考えれば、函数 det\nolimits ef(e1,,en)=1 を満たす唯一の テンプレート:Mvar-重線型交代形式 テンプレート:Mvar として特徴づけられる。

ふたたび テンプレート:Mvar の次元を テンプレート:Mvar とするとき、テンプレート:Math と仮定して テンプレート:Mvar-重線型交代写像を考える(テンプレート:Math の場合には テンプレート:Mvar-重線型交代写像は零写像しかない)。前の段落で見たことはこの場合に対しても拡張することができる。同じ引数が二度出てきた場合にはその項は無視できるから、重線型性による展開 f(x1,,xk)=(i1,,ik)Jj=1kXij,jf(ei1,,eik) において、右辺の和をとる添字集合 テンプレート:Mvar は集合 テンプレート:Math の相異なる元からなる [[順序組|テンプレート:Mvar-組]] テンプレート:Math 全体の成す集合としてよい。さらに言えば、反対称性により テンプレート:Mvar の引数を並べ替えれば、右辺は f(ei1,,eik)(1i1<i2<<ik1<ikn) の形の項の線型結合に書けることがわかる。このように並べ替えた テンプレート:Mvar-組の総数は二項係数 (nk) であり、テンプレート:Mvar-重線型交代写像はそのような テンプレート:Mvar-組における値で特徴づけられる。よって テンプレート:Math theorem

より具体的に、上記の展開公式は行列式の概念を用いて書くことができる: f(x1,,xk)=1i1<i2<<ik1<ikn|Xi1;1Xi1;2Xi1;kXi2;1Xi2;2Xi2;kXik;1Xik;2Xik;k|f(ei1,,eik). ここで、各係数はベクトル テンプレート:Mvar の族の基底 テンプレート:Mvar に関する表現行列小行列式である。

交代化

多重線型写像 f:VnW が与えられれば、それに対して多重線型交代写像 g:VnWg(x1,,xn):=σ𝔖nε(σ)f(xσ(1),,xσ(n)) で定めることができ、これを テンプレート:Mvar交代化 (alternatization) と言う。

性質

関連項目

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注釈

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出典

テンプレート:Reflist

参考文献

外部リンク