イェンセンの不等式

イェンセンの不等式（いぇんせんのふとうしき、テンプレート:Lang-en）は、凸関数を使った不等式である。

f(x) を実数上の凸関数とする。

離散の場合：

$p_1,p_2,\dots$ を、$p_1+p_2+\cdots =1$ を満たす正の実数の列とする。また、$x_1,x_2,\dots$ を、実数の列とする。そのとき、次が成り立つ。

$\sum _{i=1}^{\mathrm{\infty }}{p}_{i}f(x_i)\ge f\left(\sum _{i=1}^{\mathrm{\infty }}{p}_i{x}_i\right)$

連続値の場合：

$p(x)(>0)$ を、$\int p(x)dx=1$ を満たす実数上の可積分関数とする。また、$y(x)$ を実数上の可積分関数とする。そのとき、次が成り立つ。

$\underset{-\mathrm{\infty }}{\overset{\mathrm{\infty }}{\int }}f(y(x))p(x)dx\ge f(\underset{-\mathrm{\infty }}{\overset{\mathrm{\infty }}{\int }}y(x)p(x)dx)$

ルベーグ積分論の観点では、 離散の場合も連続の場合も同一に見倣せる。

証明は、f の$\underset{-\mathrm{\infty }}{\overset{\mathrm{\infty }}{\int }}y(x)p(x)dx$における接線を g とおいて、常に g(x) が f(x) よりも小さいことを使えばよい。

統計学において、式の下限を評価する際に、一定の役割を担っている。例えば、カルバック・ライブラー・ダイバージェンスが常に 0 より大きいことを証明するときに用いられる。p(x) が確率密度関数の場合を考えると、イェンセンの不等式は次のように書ける。

$E[f(y)]\ge f(E[y])$

なお、イェンセンの不等式から、相加相乗平均の関係式などを導くこともできる。

参考文献

• テンプレート:Cite book
• Tristan Needham (1993) "A Visual Explanation of Jensen's Inequality", American Mathematical Monthly 100(8):768-71.
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関連項目

• ヨハン・イェンセン

外部リンク

• テンプレート:高校数学の美しい物語