逆関係

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数学における二項関係逆関係(ぎゃくかんけい、テンプレート:Lang-en-short)は、関係(のグラフ)に属する順序対の成分を逆順にして得られる関係である。例えば、「~の子である」という関係の逆関係は「~の親である」という関係である。

定義

厳密に言えば、LX × YX から Y への関係とするとき、その逆関係 L−1

y L−1 xx L y

によって定まる関係をいう テンプレート:Harv。これは

L1={(y,x)Y×X(x,y)L}

とも書ける。逆関係 L−1 などと書く記法は逆写像の記法の流用である。写像はその多くが逆写像を持たないのに対し、関係は必ず逆関係を持つ。 ただし、このような記法を用いているにもかかわらず、逆関係は関係の合成の意味での逆元にはなっていない、つまり一般には

LL1id

であることに注意しなければならない。

逆関係は反対関係 テンプレート:Lang や(ダガー圏のよく知られた例として、転置行列と同様のものとして見て)(もとの関係の-)転置 テンプレート:Lang とも呼ばれ、Lc, LT, L, L˘ などとも書かれる。

性質

通常の順序関係(狭義の順序でも半順序でもよい)の逆関係は、反対順序で与えられる。例えば

()1=,(<)1=>

などとなる(ここでの括弧は明確化のためのもので必ずしも必要ではない)。

(inverses)

恒等関係をIとおいた時、関係Rに対して、関係の合成にて RX=I ならばXを右側裏関係といい、 YR=I ならばYを左側裏関係という。また、Rに右(左)側裏関係が存在するときRは右(左)に可逆な関係であるという。右に可逆かつ左に可逆であれば単に可逆あるいは両側可逆という。左に可逆ならば左全域的でなければならないし、右に可逆ならば右一意的でなければならない。ただしここでは関係の合成を、写像の合成の慣例に従った順で定義しているものとする。

写像の逆関係

テンプレート:Main 写像が(写像として)可逆であるための必要十分条件は、写像の逆関係が再び写像となることである。この逆関係こそが逆写像である。

写像 f: XY の逆関係 f−1: YX

graphf1={(y,x)y=f(x)}

で定義される。これは必ずしも写像でなくてもよいが、f が単射であることを課さなければ f−1多価になってしまう。この条件は f−1部分写像であるためには十分であり、さらにこのとき f−1 が(全域)写像となるための必要十分条件が f全射(したがって全単射)となることであるのは明らかである。f全単射であるとき、f−1f逆写像と呼ばれる。

当然、fの逆写像は f との合成で恒等写像すなわち恒等関係を導くので、 f を関係とみなせばf1はその裏関係である。

関連項目

注釈

テンプレート:Notelist

参考文献