炭素酸

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テンプレート:Distinguish 炭素酸 (Carbon acid) は炭素に直接結合した水素が脱離することによって、カルバニオンになる化合物のことである。よって、炭素-水素結合を含む全ての炭化水素は、[[酸解離定数|テンプレート:PKa]]の値さえ与えられれば酸と考えることができる。メタンのテンプレート:PKaは 56であり、酢酸テンプレート:PKaは 4.76 であることを踏まえると、確かにメタンは酸とは言い難いかもしれない。炭素酸のテンプレート:PKaのオーダーは、そのカルバニオンの安定性を反映している。テンプレート:PKaを求めるには二つの方法がある。1つは、ジメチルスルホキシド (DMSO) 溶液のような炭素酸とそのアニオンをよく溶かす溶液を用いて、通常の酸と比べる方法で、もう1つは気相中で測定する方法である。DMSOを使った方法では、自身のテンプレート:PKa (35) より低いテンプレート:PKaを持つ物質の値は測定できない。

名称 化学式 構造式 テンプレート:PKa
シクロペンタン CA5HA10 〜 59
メタン CHA4 〜 56
アニソール CA7HA8O 〜 49
プロペン CA3HA6 〜 44
トルエン CA6HA5CHA3 〜 43
ジフェニルメタン CA13HA12 32.3
トリフェニルメタン CA19HA16 30.6
キサンテン CA13HA10O 30
エタノール CA2HA5OH 29.8
フェニルアセチレン CA8HA6 28.8
チオキサンテン CA13HA10S 28.6
アセトン CA3HA6O 26.5
ベンゾオキサゾール CA7HA5NO 24.4
フルオレン CA13HA10 22.6
インデン CA9HA8 20.1
シクロペンタジエン CA5HA6 18
アセチルアセトン CA5HA8OA2 13.3
マロノニトリル CA3HA2NA2 11.2
メルドラム酸 CA6HA8OA4 7.3
表は、DMSO中の炭素酸の[[酸解離定数|テンプレート:PKa]]である[1]。有名な酸のテンプレート:PKaは太字で表している。

表のメタンから辿っていくと、インデンシクロペンタジエンのように芳香族性で安定化されたアニオンや、トリフェニルメタンのように3つのベンゼン環により負電荷が非局在化されたアニオンで、酸性度が高くなるのがわかる。マロノニトリル誘起効果のみで安定化している。エノレートは負電荷を酸素原子にも分け与えるので、カルボニル化合物のα-プロトンは解離しやすい。メルドラム酸は、カルボン酸と同等の酸性度を持つため、名前に「酸」という文字が入ってしまったが、実はラクトンである。カルボニル化合物の酸性度はアルドール反応などの有機反応において重要な駆動力になる。

炭素酸の王者はカルボラン超酸で、硫酸の百万倍の酸性度を持つ。

脚注

テンプレート:Reflist

  1. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「pka」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません