散乱振幅

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散乱振幅(さんらんしんぷく、テンプレート:Lang-en[1])は、量子力学散乱理論において、定常状態の散乱過程での入射平面波に対する、外向き球面波の振幅である[2]

定義

散乱過程が定常的であると見なせる場合(弾性散乱など)を考える. 散乱状態の波動関数は、入射平面波と外向き球面波の重ね合わせであると考える。

ψ(𝐫)=eikz+f(θ)eikrr

ここで、 𝐫{x,y,z}はベクトル座標、 r|𝐫|はベクトル𝐫の長さ、 eikz z 軸方向に入射した波数ベクトル k 平面波eikr/r  は外向き球面波θ 散乱角f(θ) 散乱振幅である。

性質

散乱振幅の次元長さである。

微分散乱断面積は、以下で表される。

dσdΩ=|f(θ)|2

低エネルギー領域では、散乱振幅は散乱長によって決定される。

部分波展開

部分波展開では、散乱振幅は、部分波の和として表される[3]

f(θ)=l=0(2l+1)fl(k)Pl(cos(θ))

ここでPl(cos(θ)) ルジャンドル多項式fl(k) 部分振幅と呼ばれる。

部分振幅はS行列要素Sl=e2iδlと散乱による位相のずれδl を用いて、以下のように表現できる。

fl=Sl12ik=e2iδl12ik=eiδlsinδlk=1kcotδlik

X線

X線の散乱長は、トムソン散乱長もしくは古典電子半径 r0 である。

中性子

中性子散乱過程は、b で記述されるコヒーレント中性子散乱長を含んでいる。

量子力学的形式

量子力学的アプローチは、S行列形式で行う。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目