ポリガンマ関数





数学において、ポリガンマ関数(ぽりがんまかんすう、テンプレート:Lang-en-short)とは、ガンマ関数の対数微分による導関数として定義される特殊関数。ディガンマ関数やテンプレート:仮リンクはポリガンマ関数の一種である。
定義
で、定義される関数をポリガンマ関数と呼ぶ。
ψ(z), ψ(1)(z), ψ(2)(z), ψ(3)(z), ψ(4)(z) は、それぞれディ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-ガンマ関数と呼ばれる。
ポリガンマ関数 ψ(n)(z ) は z = 0, −1, −2, ... で n + 1 位の極をもち,それらの点を除く全複素平面では解析的になる。
漸化式
ポリガンマ関数は次の漸化式を満たす。
級数表示
ポリガンマ関数はz ≠0, -1, -2, -3...で次の級数表示を持つ。
また、z =0でのテイラー展開により、|z |<1の領域で次のように表される。
但し、γ =0.5772...はオイラーの定数、ζ(n )はリーマンゼータ関数を表す。
積分表示
Rez >0のとき、ポリガンマ関数は次の積分表示を持つ。
相反公式
ガンマ関数の相反公式に対し、対数微分をとることで次の関係式が導かれる。
但し、cot πz は余接関数を表す。
漸近展開
z →∞ (|argz | < π)のとき、ポリガンマ関数は次の漸近展開をもつ。
但し、B2kはベルヌーイ数である。
特殊値
ポリガンマ関数は、m=1において、次の値をとる。
ポリガンマ関数は、m≧2の正の整数において、次の値をとる。
但し、γ はオイラーの定数、Hm-1は調和数を表す。
参考文献
- Milton Abramowitz and Irene A. Stegun, Handbook of Mathematical Functions with Formulas, Graphs, and Mathematical Tables. Dover (1965) ISBN 978-0486612720
- E. T. Whittaker and G. N. Watson, A Course of Modern Analysis. Cambridge University Press (1927; reprinted 1996) ISBN 978-0521588072
- George B. Arfken and Hans J. Weber, Mathematical Methods for Physicists, Academic Press; ジョージ.ブラウン・アルフケン、ハンス.J・ウェーバー (著)、 権平健一郎、神原武志、小山直人 (翻訳) 『基礎物理数学第4版Vol.3 特殊関数』 講談社 (2001) ISBN 978-4061539792