わき出し

流体力学におけるわき出しとは、一点を中心とする球対称な流れで、流れが中心点から外に向かって発散するものである^[1]。逆に外から中心点へ収束する流れは吸い込みという。

わき出しから流出する、または吸い込みへ流入する流量テンプレート:Mvar あるいはテンプレート:Math をわき出しあるいは吸い込みの強さという。わき出しではテンプレート:Math、吸い込みではテンプレート:Math である。

空間の原点に強さがテンプレート:Mvar のわき出しあるいは吸い込みがあるとき、流線は原点を通る直線群であり、速度は半径方向成分テンプレート:Mvar のみを持ちテンプレート:Math で与えられる。

速度ポテンシャルテンプレート:Math を用いると、わき出し、吸い込みは単極子であり、テンプレート:Math で与えられる。

二重わき出し

二重わき出しとは、同じ強さのわき出しと吸い込みが非常に近接して存在している流れである。強さテンプレート:Mvar のわき出しがテンプレート:Mvar 軸上の座標テンプレート:Mvar の点に、テンプレート:Math の吸い込みがテンプレート:Math にあるとする^[2]。このとき原点からの距離テンプレート:Mvar、テンプレート:Mvar 軸からの角度テンプレート:Mvar の点テンプレート:Mvar の速度ポテンシャルは

\begin{matrix} Φ & = - μ \frac{\cos θ}{r^{2}} \\ = - \frac{μ \cdot 𝒙}{r^{3}} = (μ \cdot \nabla) \frac{1}{r} \end{matrix}

ここでスカラーテンプレート:Math は二重わき出しの強さと呼ばれる。またベクトルテンプレート:Mvar は吸い込みからわき出しに向かい大きさが強さに等しいベクトルで、二重わき出しのモーメントと呼ばれる。

二重わき出しは双極子に対応し、その速度ポテンシャルは一つのわき出しの速度ポテンシャルをテンプレート:Mvar ベクトル方向の微分になっている。