ウィッシャート分布

テンプレート:No footnotes テンプレート:ページ番号 ウィッシャート分布（ウィッシャートぶんぷ、テンプレート:Lang-en-short）は、連続型の確率分布である。

定義と性質

互いに独立な テンプレート:Mvar 個の テンプレート:Mvar 変量の確率ベクトル ${𝒙}_1,{𝒙}_2,\dots ,{𝒙}_n$ が、平均が テンプレート:Math、共分散行列が $\mathrm{\Sigma }$ の多変量正規分布 $N(0,\mathrm{\Sigma })$ に従うとき、

$𝑨=\sum _{i=1}^n{𝒙}_i{{𝒙}_i}^{\prime }$

は自由度 テンプレート:Mvar のウィッシャート分布に従う。ここで テンプレート:Math2 である。ウィッシャート分布は、$p,n,\mathrm{\Sigma }$ をパラメータとして $W(\mathrm{\Sigma },p,n)$ と表記されることがあり、分布の分布を表すモデルである、と言える。

ウィッシャート分布の確率密度関数は以下の式で定義される。

$f(𝑨)=\frac{|𝑨{|}^{(n-p-1)/2}\exp \{-\frac{1}{2}\mathrm{tr}\left({\mathrm{\Sigma }}^{-1}𝑨\right)\}}{2^{pn/2}{\pi }^{p(p-1)/4}|\mathrm{\Sigma }{|}^{n/2}\prod _{i=1}^p\mathrm{\Gamma }\left(\frac{n-i+1}{2}\right)}$

$\mathrm{tr}$ は行列のトレースである。 このとき、期待値は $n\mathrm{\Sigma }$、分散共分散行列は $2n\mathrm{\Sigma }\otimes \mathrm{\Sigma }$ である。

$𝑨,\mathrm{\Sigma }$ の成分をそれぞれ $a_{ij},{\sigma }_{ij}$ と表し、テンプレート:Math21 の場合を考え、$a_{11}/{\sigma }_{11}={\chi }^2$ と置くと、ウィッシャート分布の確率密度関数は以下の形に表され、ウィッシャート分布がカイ二乗分布を多変量に拡張したものであることが分かる。

$f(a_{11})=\frac{a_{11}^{n/2-1}\exp (-\frac{a_{11}}{2{\sigma }_{11}})}{2^{n/2}{\sigma }_{11}^{n/2}\mathrm{\Gamma }\left(\frac{n}{2}\right)}=\frac{1}{2^{n/2}\mathrm{\Gamma }\left(\frac{n}{2}\right)}({\chi }^2{)}^{n/2-1}\exp (-\frac{{\chi }^2}{2})$

参考文献

• 蓑谷千凰彦、統計分布ハンドブック、朝倉書店 (2003).
• B. S. Everitt（清水良一訳）、統計科学辞典、朝倉書店 (2002).

関連項目

• 確率分布

外部リンク

• 朱鷺の杜Wiki
• GSL reference manual Japanese version