エルミート形式

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テンプレート:Otheruses 数学線型代数学におけるエルミート積 (Hermitian product), エルミート半双線型形式 (Hermitian Sesqui­linear form) あるいは単にエルミート形式(エルミートけいしき、テンプレート:Lang-en-short)は、シャルル・エルミートに名を因む特別な種類の半双線型形式で、対称双線型形式の複素版にあたる。

複素線型空間 テンプレート:Mvar とその上のエルミート形式 テンプレート:Math との組 テンプレート:Math, あるいは同じことだが対応する「二次形式」テンプレート:Math との組 テンプレート:Mathエルミート空間(あるいはエルミート二次空間)と呼ぶ。

定義

テンプレート:Mvar複素数 テンプレート:Math 上のベクトル空間とすると、エルミート半双線型形式とは、写像 テンプレート:Math で以下を満たすものを言う: テンプレート:Math および テンプレート:Math は任意として

  1. 偏線型性: テンプレート:Math
  2. 偏半線型性: テンプレート:Math
  3. エルミート対称性: テンプレート:Math

ここに、上付きの横棒 テンプレート:Math複素共軛をとる演算を表す。

  • 引数の一方が線型で他方が半線型となるが、線型と半線型は上記と逆に仮定する流儀もある。
  • 条件 1, 2 はこの写像が半双線型となることを言うものであるが、実は条件 3 の仮定のもと 1 から 2, あるいは 2 から 1 が導かれるから、一方の条件は不要である。ここでは明確化のために両者を掲げてある。

エルミート半双線型形式は複素数体 テンプレート:Math 上で意味を成す概念である(実数体 テンプレート:Math 上では任意のエルミート半双線型形式が対称双線型形式になる)。複素線型空間(あるいは複素ヒルベルト空間)上の内積(エルミート内積)は非退化正定値のエルミート半双線型形式である。

より一般に、環上の加群 テンプレート:Mvar に対して、係数環 テンプレート:Mvar 上定義される任意の対合テンプレート:仮リンク テンプレート:Mvar に関する半双線型形式 テンプレート:Math がエルミートであるとは、テンプレート:Math を満たすことを言う。さらに、テンプレート:Mvar は係数環の中心元として、テンプレート:Mvar-エルミートであるとは テンプレート:Math となるときに言う[1]

エルミート二次形式

エルミート半双線型形式に対しても極化恒等式が適用できる。従って、エルミート半双線型形式は対角成分における値 テンプレート:Math のみによって他の全ての値も決定される。この「二次形式」テンプレート:Mvar が常に実数値であることに注意せよ。実は与えられた半双線型形式がエルミートであることと、対応する二次形式が実数値であることとは同値になる。

標準形式

複素数ベクトル空間 テンプレート:Math における

x,y=(x1,x2,,xn),(y1,y2,,yn)=x¯1y1+x¯2y2++x¯nyn=k=1nx¯kyk

標準エルミート形式あるいは標準エルミート内積と呼ぶ。

関連項目

参考文献

注釈

外部リンク

en:Sesquilinear form#Hermitian form