カントール分布

カントール分布(カントールぶんぷ、テンプレート:Lang-en-short)とは、累積分布関数がカントール関数である確率分布のことである。
この分布はルベーグ測度に関して絶対連続ではなく、どのような点質量も持たないため、確率密度関数も確率質量関数も存在しない。したがってこの分布は離散確率分布でも絶対連続確率分布でもなく、それらを組み合わせたものでもない。この分布はむしろ特異分布の一例である。
この分布の累積分布関数は、しばしば「悪魔の階段」と呼ばれる。しかしこの用語はより一般的な意味を持つものである。
特徴
の共通部分である。
カントール分布は、任意の テンプレート:Mvar (テンプレート:Math2) に対して、カントール分布の確率変数を含む テンプレート:Mvar 内のある特定の区間が、その テンプレート:Math 個の各区間の上で恒等的に テンプレート:Math であるような唯一つの確率分布である。
モーメント
対称性により、この分布を持つ確率変数 テンプレート:Mvar に対して、その期待値は テンプレート:Math2 となり、すべての テンプレート:Mvar の奇中心モーメントは テンプレート:Math であることが簡単に分かる。
分散 テンプレート:Math を求める上で、テンプレート:仮リンクを次のように用いることができる。上述の集合 テンプレート:Math に対して、テンプレート:Math2 であれば テンプレート:Math2 とし、テンプレート:Math であれば テンプレート:Math2 とする。このとき、
が得られる。これより
が得られる。任意の偶テンプレート:仮リンクに対する閉形式表現は、初めに偶キュムラント[1]
を得、続いてそのキュムラントの関数としてモーメントを表現することで得られる。ここで テンプレート:Math は テンプレート:Math 番目のベルヌーイ数である。