ケイリー=アロンホルトの微分作用素

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数学において、ケイリー=アロンホルトの微分作用素(ケイリー=アロンホルトのびぶんさようそ)は、多項式環上で定義される三つの微分作用素である。作用素の名は19世紀のイギリスの数学者アーサー・ケイリーとドイツの数学者テンプレート:仮リンクに因む。二次の特殊線形リー環表現を与えており、古典的不変式論において、基本的な役割を果たす。

定義

ξ=(ξ0,ξ1,,ξn)不定元とし、標数0の K を係数とする多項式に対し、

=l=0n(n2l)ξlξl
𝒟=l=0nlξl1ξl
Δ=l=0n(nl)ξl+1ξl

で定義される、多項式環 K[ξ] 上の微分 ,𝒟,Δケイリー=アロンホルトの微分作用素という。

単項式 φ=ξ0m0ξnmn に対し、その次数 degφ、重さ weightφ は、

degφ=l=0nml
weightφ=l=0nlml

で定義される。

,𝒟,Δ の作用で次数 degφ は不変であるが、重さ weightφ については、

weightφ=weightφ
weight𝒟φ=weightφ1
weightΔφ=weightφ+1

が成り立つ。

全ての項の次数が等しい多項式を同次多項式、全ての項の重さが等しい多項式を同重多項式という。同次同重多項式 ϕ(ξ)K[ξ] に対し、その指数 indϕ

indϕ=ndegϕ2weightϕ

で定めると

ϕ(ξ)=indϕϕ(ξ)

が成り立つ。

二次特殊線形リー環の表現

交換子積[X,Y]=XYYXで定めると、,𝒟,Δ同士の交換子は、

[𝒟,Δ]=,[,𝒟]=2𝒟,[,Δ]=2Δ

の関係を満たす。

これは二次特殊線形リー環𝔰𝔩(2)基底

H=(1001),X=(0010),Y=(0100)

が満たす関係

[X,Y]=H,[H,X]=2X,[H,Y]=2Y

に対応している。

そこで、ρ:𝔰𝔩(2)𝔤𝔩(K[ξ])を対応関係

λH+μX+νYλ+μ𝒟+νΔ(λ,μ,νK)

で与えれば、ρK[ξ]表現空間とする𝔰𝔩(2)リー代数の表現となる。

参考文献

関連項目