チエタン

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テンプレート:Chembox チエタン (thietane) は、一つの硫黄を含む飽和の四員複素環式化合物である。トリメチレンスルフィドとも呼ばれる。

合成

チエタンは1,3-ジオキサン-2-オン(トリメチレンカーボネート)とチオシアン酸カリウムとの反応で得られる(ただし収量は低い)。このとき副産物としてシアン酸カリウム二酸化炭素が発生する[1]

C4H6O3+ KSCN C3H6S+ KOCN+ CO2

よりよい合成法としては、1,3-ジブロモプロパン硫化ナトリウムとの反応がある[2]

Br(CH2)3Br+ Na2S C3H6S+2 NaBr

性質

チエタンは無色透明の液体で、沸点は92-94°Cである。分子は完全な正方形ではなく、歪んだ構造を持つ。硫黄原子の向かい側にある炭素の結合角が97°であるのに対し、硫黄原子の結合角は78°である。炭素-硫黄結合の結合長は185.1 pm、炭素-炭素結合の結合長は154.9 pmである。

反応

チエタンは求核剤と開環反応する。たとえばn-ブチルリチウムにより非対称のチオエーテルを生成する[3]

C3H6S+ C4H9Li C4H9SC3H7

ハロゲン元素との反応では鎖の両端に2つのハロゲンが付いた、鎖状のジスルフィドが生成される[4]

脚注

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関連項目

テンプレート:Normdaten

  1. S. Searles, E. F. Lutz in: A new synthesis of small ring cyclic sulfides J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 3168. テンプレート:DOI
  2. K. Nagasawa, A. Yoneta in: Chem. Pharm. Bull 1985, 33, 11, 5048-5052. テンプレート:ISSN, [1]
  3. F. G. Bordwell, H. M. Andersen, M. P. Burnett in:The reaction of thiacyclopropanes and thiacyclobutanes with organolithium compounds J. Am. Chem. Soc. 1954, 76, 1082-1085. テンプレート:DOI
  4. J. M. Stewart, C. H. Burnside in:Reactions of trimethylenesulfide with chlorine and bromine J. Am. Chem. Soc., 1953, 75, 243-244. テンプレート:DOI