ディリクレベータ関数

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ディリクレのベータ関数

ディリクレベータ関数(ディリクレベータかんすう、テンプレート:Lang-en-short)とは、数学におけるリーマンゼータ関数と密接な関係がある特殊関数である。名称はドイツの数学者であるペーター・グスタフ・ディリクレにちなむ。

定義

ディリクレベータ関数は、複素数 テンプレート:Math と正の整数 テンプレート:Math に対して、

β(s)=n=0(1)n(2n+1)s=113s+15s17s+

で定義される関数 テンプレート:Math である。上記の級数は テンプレート:Math の実部が テンプレート:Math より大きい場合、すなわち テンプレート:Math の場合にのみ収束するが、解析接続による操作を施すことによりすべての複素数で有効な値をもつ正則有理型関数となる。ガンマ関数 テンプレート:Math を用いれば、

β(s)=1𝛤(s)0exxs11+e2xdx

と、リーマンゼータ関数テンプレート:Efnと類似した積分表示ができる。

性質

乗積表示

リーマンゼータ関数の乗積表示であるオイラー積が示唆するように、リーマンゼータ関数の重要な性質のひとつは素数との関わりが深いことである。同じように、ディリクレベータ関数にも、素数全体を動く変数 テンプレート:Math を用いた

β(s)=p1mod411psp3mod411+ps

という乗積表示が存在する。

解析接続

ディリクレベータ関数は、任意の複素数 テンプレート:Math に対して次のような関数方程式が存在する。

β(1s)=(2π)ssinπs2𝛤(s)β(s)

ただし、ここで テンプレート:Math はガンマ関数である。これによって、ディリクレベータ関数は複素数全体に解析接続されたこととなり、すべての複素数においての議論ができる。

特殊値

ディリクレベータ関数に整数を代入したものをディリクレベータ関数の特殊値という。級数による定義において、たとえば テンプレート:Math を代入すると、

β(1)=n=0(1)n2n+1=113+1517+=π4

のように値が求まり、これはよく知られたライプニッツの公式と一致する。さらに、この他にも値を代入すれば、

β(0)=12
β(1)=π4=0.785398163397448
β(2)=G=0.915965594177219
β(3)=π332=0.968946146259369
β(4)=1768[ψ(3)(14)8π4]=0.988944551741105
β(5)=5π51536=0.996157828077088
β(7)=61π7184320=0.999554507890539

のように求まる。ただし、ここで テンプレート:Mathカタランの定数テンプレート:Mathポリガンマ関数である。リーマンゼータ関数において、偶数に対する特殊値はレオンハルト・オイラーがバーゼル問題を解決するとともに一般化したが、奇数に対する値はよく知られていない。一方、ディリクレベータ関数は、奇数 テンプレート:Math に対して、

β(2n+1)=(1)nE2nπ2n+14n+1(2n)!

が成り立つこと分かっている。ただし、ここで テンプレート:Mathテンプレート:Math 番目のオイラー数である。

脚注

注釈

テンプレート:Reflist

テンプレート:L-functions-footer テンプレート:Math-stub