バーンスタイン多項式
テンプレート:簡易区別 テンプレート:読み仮名はバーンスタイン基底関数の線形結合で与えられる多項式である。テンプレート:読み仮名[1]、ベルンシュタイン多項式とも。
概要
バーンスタイン多項式はバーンスタイン基底関数の線形結合で与えられる多項式である(⇒#定義)。テンプレート:Math 次のバーンスタイン多項式は任意の[[多項式#高々 n 次の多項式|高々 テンプレート:Mvar 次の多項式]]を表現できるため[2]、バーンスタイン多項式は多項式の別形式での表現であるといえる(⇒#特性)[1]。
バーンスタイン形式の数値的に安定な手法は、テンプレート:Illとして知られている。
バーンスタイン多項式はセルゲイ・ベルンシュテインが確率論を用いてワイエルシュトラスの近似定理の別証明をする際に初めて導入された(テンプレート:Harvnb)。のちに彼の名を取ってバーンスタイン多項式と呼ばれるようになった。
コンピュータ・グラフィックスの出現により、 テンプレート:Math の範囲におけるバーンスタイン多項式は、ベジェ曲線の重要な要素となった。
定義
バーンスタイン基底関数
次のテンプレート:読み仮名 は以下で定義される[3][注 1]:
次のバーンスタイン基底関数は、[[多項式#高々 n 次の多項式|高々 テンプレート:Mvar 次の多項式]]からなるベクトル空間の基底をなす[2]。
バーンスタイン多項式
次のバーンスタイン多項式 は以下で定義される:
すなわちバーンスタイン基底関数の線形結合であり、その係数 βν はバーンスタイン係数あるいはベジェ係数と呼ばれる。
例
バーンスタイン基底関数は以下のような式となる。
特性
バーンスタイン基底関数の特性
バーンスタイン基底関数は以下のような特性を持つ。
- , if ν < 0 or ν > テンプレート:Math
- and (ここで はクロネッカーのデルタ関数)
- テンプレート:Math ≠ 0 の時、 は テンプレート:Math = 0 に解を持つ
- テンプレート:Math ≠ n の時、 は テンプレート:Math = 1 に解を持つ
- 導関数は2つの低次な多項式により与えられる
- テンプレート:Math ≠ 0 の時、 は テンプレート:Math = ν/テンプレート:Math に極大値を持ち、その値は となる
- 高次のバーンスタイン基底関数の和としても記述可能
二項分布と区間同値
バーンスタイン基底関数は閉区間 (単位区間)において二項分布の確率質量関数 と同値である。
区間正値
バーンスタイン基底関数は開区間 において正の値のみをとる。すなわち 。
区間非負
バーンスタイン基底関数は閉区間 (単位区間)において非負の値のみをとる。すなわち 。
これは かつ二項係数が非負より明らかである。またこの関数がこの閉区間において二項分布と同値であることからも明らかである(⇒#二項分布と区間同値)。
1の分割
テンプレート:Math 次のバーンスタイン基底関数は1の分割をなす特性をもつ[4]。
この特性は以下で示される:
また、バーンスタイン基底関数が二項分布の確率質量関数と同じ形であることからもこの特性がわかる(⇒#二項分布と区間同値)。
バーンスタイン多項式の特性
バーンスタイン多項式は以下のような特性を持つ。
高々 n 次の多項式と同値
テンプレート:Math 次のバーンスタイン多項式は[[多項式#高々 n 次の多項式|高々 テンプレート:Mvar 次の多項式]]と同値である。言い換えれば、高々 テンプレート:Math 次の多項式からなるベクトル空間の任意の元を表現できる[2]。
テンプレート:Math を例にとると、1次バーンスタイン多項式 は次のように展開できる:
ここで傾き ・切片 の高々1次の多項式 を が表現できるか考える。, とすると は、
となる。ゆえに1次バーンスタイン多項式は高々1次の多項式と同値であるといえる。
この特性のためバーンスタイン多項式は多項式のバーンスタイン形式とも呼ばれる[1]。
連続関数の近似
[0, 1] の範囲において連続な関数 テンプレート:Math を用いたバーンスタイン多項式
は、[0, 1] の範囲で以下のように、一様に収束する。
このことは、各点収束するが一様収束はしないという命題に比べ、より強い命題である。この一様収束は、以下のように明確に示される。
上述のように、バーンスタイン多項式はワイエルシュトラスの近似定理の証明にも用いられる。
また、より一般的に、連続な k 次導関数についても、
であることが示せる。ここで は の固有値である。
であることの初等的な説明
は確率 テンプレート:Math で事象 テンプレート:Math が起こる試行を テンプレート:Math 回繰り返したとき、事象 テンプレート:Math がちょうどテンプレート:Math回起こる確率を表す。試行をn回繰り返す場合において、テンプレート:Math が テンプレート:Math 回起こったときに得られる確率変数をテンプレート:Mathとすると、
は期待値を表す。 一方、テンプレート:Math 回試行を繰り返す場合、事象 テンプレート:Math が起こる回数は平均して テンプレート:Math である。よって、平均して得られる確率変数、すなわち期待値は テンプレート:Math であると考えられる。今 テンプレート:Math や テンプレート:Math は整数で、テンプレート:Math は テンプレート:Math を分母とする有理数とは限らないので テンプレート:Mathと テンプレート:Math の誤差も テンプレート:Math とは限らないが、テンプレート:Math を大きくしていくと両者の誤差は テンプレート:Math に近づいていくと考えられるので、
が成り立つ。
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
- ↑ 1.0 1.1 1.2 "In computer aided geometric design, polynomials are usually expressed in Bernstein form. ... Let p(t) ... be a polynomial in the Bernstein form" p.744,746 より引用。テンプレート:Cite journal
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book
- ↑ "バーンスタイン基底関数 n は次数を表す" テンプレート:Harvnb より引用。
- ↑ " ある比率で各制御点の座標を混ぜ合わせる ... 混合比(和は 1 になる) 混合比を関数で表したものを「基底関数」とよぶ" テンプレート:Harvnb より引用。
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