フォン・シュタウト=クラウゼンの定理
フォン・シュタウト=クラウゼンの定理(フォン・シュタウト-クラウゼンのていり[1]、Von Staudt–Clausen theorem)は、数論におけるベルヌーイ数の小数部分に関する定理である。 テンプレート:Harvard citationsと、 テンプレート:Harvard citationsが独立して発見した。
テンプレート:Mvarを正整数、テンプレート:Mvarをテンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れるような素数として、ベルヌーイ数テンプレート:Mathにすべてのテンプレート:Mathを加えた数は整数になる[2][3]。つまり、
この定理により即座に、0でないベルヌーイ数テンプレート:Mathの(規約な)分母が、テンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れるような素数テンプレート:Mvarの総積であることが分かる。更に、無平方で、6で割り切れる事も導ける。
ベルヌーイ数テンプレート:Mathについて、n番目の分母の成す数列は次の通り。
- 6, 30, 42, 30, 66, 2730, 6, 510, 798, 330, 138, 2730, 6, 870, 14322, 510, 6, 1919190, 6, 13530, ... テンプレート:OEIS.
整数列 は次のようになる。
- 1, 1, 1, 1, 1, 1, 2, -6, 56, -528, 6193, -86579, 1425518, -27298230, ... テンプレート:OEIS.
証明
4つの補題を用いる。
テンプレート:Mvarを素数とする。
1. テンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れるならば、
2. テンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れないならば、
補題1,2の証明にはフェルマーの小定理を使う。テンプレート:Mathについて、
である。
テンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れる(テンプレート:Mathがテンプレート:Mathの倍数)ならば、テンプレート:Mathについて、
であるから、
より補題1が証明された。ただし、二番目の式では二項定理を用いている。
テンプレート:Mathがテンプレート:Mathで割り切れないならば、フェルマーの小定理より、
テンプレート:Mathとする。床関数の性質テンプレート:Mathよりテンプレート:Math。
テンプレート:Math、テンプレート:Mathについて、フェルマーの小定理より、
したがって、
テンプレート:Mathのときテンプレート:Mathであるから、補題2が証明された。
3. テンプレート:Mathのとき、テンプレート:Mathはテンプレート:Mvarで割り切れる。
4. 第二種スターリング数は整数である。
フォン・シュタウト=クラウゼンの定理の証明には、ベルヌーイ数の一般項の公式を用いる。
これは第二種スターリング数テンプレート:Mathを用いて次のように書ける。
テンプレート:Mathを4より大きい合成数とすると、補題3よりテンプレート:Mathは テンプレート:Mathで割り切れる。
テンプレート:Mathならば、
テンプレート:Mathを整数とする。テンプレート:Mathが素数ならば補題1,2を使って、テンプレート:Mathが合成数ならば補題3,4を使って、次の式の成立が分かる[4][5]。
これは示されるべきことであった。
関連項目
出典
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ H. Rademacher, Analytic Number Theory, Springer-Verlag, New York, 1973.
- ↑ T. M. Apostol, Introduction to Analytic Number Theory, Springer-Verlag, 1976.