ボルツマン定数
テンプレート:物理定数 ボルツマン定数(ボルツマンていすう、テンプレート:Lang-en-short)は、統計力学において、状態数とエントロピーを関係付ける物理定数である。統計力学の分野において重要な貢献をしたオーストリアの物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで名付けられた。通常は記号 テンプレート:Mvar が用いられる。特にテンプレート:Enの頭文字を添えて テンプレート:Math で表されることもある。
ボルツマンの原理において、エントロピーは定まったエネルギー(及び物質量や体積などの状態量)の下で取りうる状態の数 テンプレート:Mvar の対数に比例する。これを テンプレート:Indent と書いたときの比例係数 テンプレート:Mvar がボルツマン定数である。従って、ボルツマン定数はエントロピーの次元を持ち、熱力学温度をエネルギーに関係付ける定数として位置付けられる。ボルツマン定数は2019年5月に定義定数となり、正確に テンプレート:Val である。
ボルツマン定数はマックス・プランクによって1900年にプランク定数と一緒に導入された。ボルツマン自身はこの定数を用いたことはない。
値
2019年5月20日に施行されたSIの定義で、ボルツマン定数の値は正確に テンプレート:Math = テンプレート:Val となった。これはメートルの定義に光速が用いられることにより、光速が正確に テンプレート:Val となったことと同じである。
電子ボルトで表示した値は、
である。
気体分子運動論
気体の熱力学温度を テンプレート:Mvar とすると、ボルツマン定数によってエネルギー テンプレート:Math に換算される。これは大まかに言うと古典的に振る舞う系のミクロな粒子によって運ばれる熱エネルギーである。例えば、室温 25 ℃ (298.15 K) に対応するエネルギーは
- テンプレート:Val × 298.15 K = テンプレート:Val
である。また、理想気体中の単原子分子は テンプレート:Math の平均運動エネルギーを持つ。
ボルツマン定数 テンプレート:Mvar にアボガドロ定数 テンプレート:Math をかけると、モル気体定数 テンプレート:Mvar となる。
モル気体定数は気体の量を構成粒子の数ではなく物質量で量るときにより有用である。
新しいケルビンの定義
テンプレート:See also 2018年11月の第26回国際度量衡総会 (CGPM) で決議されたSI基本単位の再定義において、SI基本単位のケルビンはボルツマン定数を用いて定義されることとなった[4]。
脚注
外部リンク
- BIPM
- CODATA Value
- テンプレート:Kotobank
- ↑ Boltzmann constant in eV/K CODATA2018, Fundamental Physical Constants,NIST
- ↑ CODATA Value
- ↑ CODATA Value
- ↑ Draft Resolution A, Appendix 3. The base units of the SI