マルチンケーヴィッチの定理

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数学において、テンプレート:Harvsにより発見されたマルチンケーヴィッチの補間定理(マルチンケーヴィッチのほかんていり、テンプレート:Lang-en-short)とは、Lp空間上の非線型作用素のノルム評価を与える一結果である。

マルチンケーヴィッチの定理は、線型作用素に関するリース=ソリンの定理と似ているが、非線型作用素に対しても適用できる。

準備

テンプレート:Mvar を、測度空間 テンプレート:Math 上で定義される実数値あるいは複素数値の可測関数とする。テンプレート:Mvar分布関数は次で定義される。

λf(t)=ω{xX|f(x)|>t}.

このとき テンプレート:Mvar L1 であるとは、ある定数 テンプレート:Mvar が存在して、テンプレート:Mvar の分布関数が任意の テンプレート:Math に対して次の不等式を満たすことをいう:

λf(t)Ct.

この不等式を満たす最小の テンプレート:Mvar のことをL1 ノルムといい、通常 ||f||1,w あるいは ||f||1, と表す。同様に、この関数による空間を通常 テンプレート:Math あるいは テンプレート:Math と表す。

(注釈:この表記はわずかに誤解を招くおそれがある。実際、(0,1) 上の関数 1/x1/(1x) の和のノルムは 2 ではなく 4 であることについて考えれば分かるが、弱ノルムは三角不等式を満たさない。)

任意の テンプレート:Math 関数は テンプレート:Math に属し、次の不等式が成り立つ。

f1,wf1.

これはマルコフの不等式(チェビシェフの不等式としても知られる)に他ならない。この逆は真ではない。例えば、関数 テンプレート:Mvarテンプレート:Math に属すが、テンプレート:Math には属さない。

同様に、|f|pテンプレート:Math に属すような関数 テンプレート:Mvar の空間としてLp 空間を定義することが出来る。このときLp ノルムは次で定義できる。

fp,w=|f|p1,w1/p.

より具体的に、テンプレート:Math ノルムは、任意の テンプレート:Math に対して次の不等式を満たす最小の テンプレート:Mvar で定義される。

λf(t)Cptp.

定理

マルシンケーヴィッチの定理は、非公式的には次のようなものである。

定理テンプレート:MvarLp から Lp,w への有界線型作用素であり、同時に Lq から Lq,w への有界線型作用素でもあるとする。このとき テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar の間の任意の テンプレート:Mvar に対して、テンプレート:MvarLr から Lr への有界線型作用素となる。

言い換えると、端点 テンプレート:Mvar および テンプレート:Mvar での弱有界性のみを仮定したとしても、その内側では通常の有界性が得られるということになる。これをより正式に言うために、テンプレート:Mvar稠密部分集合上でのみ有界で完全であることを説明する必要がある。詳細についてはリース=ソリンの定理を参照されたい。

マルチンケーヴィッチの定理がリース=ソリンの定理よりも弱い点は、ノルムの評価である。この定理では テンプレート:MvarLr ノルムに対する上界が与えられているが、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar あるいは テンプレート:Mvar に収束につれてこの上界は発散する。具体的に テンプレート:Harv、次を仮定する。

Tfp,wNpfp,
Tfq,wNqfq.

すなわち テンプレート:Math から テンプレート:Math へのテンプレート:Mvar作用素ノルムは高々 テンプレート:Math であり、 テンプレート:Math から テンプレート:Math へのテンプレート:Mvar作用素ノルムは高々 テンプレート:Math である。このとき、次の補間不等式が、テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar の間のすべての テンプレート:Mvar と、すべての テンプレート:Math に対して成り立つ:

TfrγNpδNq1δfr.

ここで

δ=p(qr)r(qp)

および

γ=2(r(qp)(rp)(qr))1/r.

である。この定数 δ および γ は、q=∞ に対しても極限を取ることで与えられる。

関連項目

参考文献