マンガレリの等式

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

数学常微分方程式の分野におけるマンガレリの等式(マンガレリのとうしき、テンプレート:Lang-en-short)とは、実領域におけるある線型微分方程式の解が振動的であるか非振動的であるかを判別するための条件を与える定理で、テンプレート:仮リンクにより名付けられた[1]ピコーンの等式を二つの微分方程式から三つあるいはそれ以上の二階微分方程式へと拡張するものである。ここでは最も基本的な形式のものを紹介する。

等式

t-区間 [ab] 上の二階線型微分方程式系 (pi(t)xi)+qi(t)xi=0,xi(a)=1,xi(a)=Rin 個の解を考える。ただし i=1,2,,n である。Δ は前進差分を表す作用素、すなわち Δxi=xi+1xi で与えられる作用素とする。二次の差分作用素は、この一次の作用素を Δ2(xi)=Δ(Δxi)=xi+22xi+1+xi のように繰り返すことで得られ、より高次の差分についても同様に定義される。

以下では簡単のために独立変数 t を省略し、(ab] 上では xi(t)0 が成立するものとする。このとき、次の等式が成り立つ[2]

xn12Δn1(p1r1)]ab=ab(xn1)2Δn1(p1)abxn12Δn1(q1)k=0n1C(n1,k)(1)nk1abpk+1W2(xk+1,xn1)/xk+12,

ここで ri=xi/xi対数微分であり、W(xi,xj)=xixjxixjロンスキアンC(n1,k)二項係数を表す。n=2 のとき、この等式はピコーンの等式となる。

上の等式は三つの線型微分方程式に対して、ただちに以下の比較定理を導く[3]。これはスツルム=ピコーンの比較定理の拡張である。

pi,qi, i = 1, 2, 3 を、区間 [ab] 上の実数値連続関数とし、

  1. (p1(t)x1)+q1(t)x1=0,x1(a)=1,x1(a)=R1
  2. (p2(t)x2)+q2(t)x2=0,x2(a)=1,x2(a)=R2
  3. (p3(t)x3)+q3(t)x3=0,x3(a)=1,x3(a)=R3

を三つの自己随伴形式の二階同次線型微分方程式とし、

pi(t)>0 が各 i および [ab] 内のすべての t に対して成立するものとし、Ri は任意の実数とする。

[ab] 内のすべての t に対して、

Δ2(q1)0,
Δ2(p1)0,
Δ2(p1(a)R1)0

の成立を仮定する。このとき、[ab] 上で x1(t)>0 であり、x2(b)=0 であるなら、任意の解 x3(t) は [ab] 内に少なくとも一つのゼロ点を持つ。

参考文献

テンプレート:Reflist