ラプラスの方法
数学においてラプラスの方法(らぷらすのほうほう、テンプレート:Lang-en-short)とは、ピエール=シモン・ラプラスにちなんだ積分
の近似に用いられる方法。ここで テンプレート:Math は二回連続微分可能な関数、テンプレート:Mvar は大きな数で、端点 テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar は有限でなくともよい。この方法は テンプレート:Harvtxt で初めて用いられた。
ラプラスの方法のアイディア

関数 テンプレート:Math が点 テンプレート:Math においてのみ最大値をとると仮定する。数 テンプレート:Mvar に対して、次の関数を考える。
点 テンプレート:Math において関数 テンプレート:Mvar と テンプレート:Mvar も最大値をとることに注意する。また、このとき
である。
数 テンプレート:Mvar が大きくなるにつれて テンプレート:Mvar の比は指数的に大きくなる一方で テンプレート:Mvar の比は変化しない。したがって、関数の積分における支配的な寄与は点 テンプレート:Math の近傍における点 テンプレート:Mvar のみから来るため近似ができる。
厳密な主張
テンプレート:Math は区間 テンプレート:Math 上の二回連続微分可能な関数で、ある点 テンプレート:Math でのみ
を満たすと仮定する。このとき
である[1]。(ここで テンプレート:Math は両辺の比が テンプレート:Math の極限で テンプレート:Math に収束することを意味する。)
他の定式化
ラプラスの方法は
と書かれることもある。
例:スターリングの公式
ラプラスの方法はスターリングの公式
の導出に用いることができる。ガンマ関数の定義から
が得られる。変数変換 テンプレート:Math を考えると テンプレート:Math ゆえ
この積分はラプラスの方法が適用できる形である。いま テンプレート:Math とおけば、これは二階微分可能で、
よって関数 テンプレート:Math は点 テンプレート:Math でのみ最大値 テンプレート:Math をとり、テンプレート:Math である。したがって
となる。
脚注
参考文献
関連項目