ラプラスの方法

提供: testwiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

数学においてラプラスの方法(らぷらすのほうほう、テンプレート:Lang-en-short)とは、ピエール=シモン・ラプラスにちなんだ積分

abenf(x)dx

の近似に用いられる方法。ここで テンプレート:Math は二回連続微分可能関数テンプレート:Mvar は大きな数で、端点 テンプレート:Mvar, テンプレート:Mvar は有限でなくともよい。この方法は テンプレート:Harvtxt で初めて用いられた。

ラプラスの方法のアイディア

関数 テンプレート:Math は原点 テンプレート:Math において最大値をとる。被積分関数 テンプレート:Mathテンプレート:Math のとき(上図)と テンプレート:Math のとき(下図)に青色で示した。数 テンプレート:Mvar が大きくなるにつれて、被積分関数のガウス関数(赤色)による近似がよくなる。この観察がラプラスの方法の背後にある。

関数 テンプレート:Math が点 テンプレート:Math においてのみ最大値をとると仮定する。数 テンプレート:Mvar に対して、次の関数を考える。

g(x)=nf(x)h(x)=enf(x)

テンプレート:Math において関数 テンプレート:Mvarテンプレート:Mvar も最大値をとることに注意する。また、このとき

g(x0)g(x)=nf(x0)nf(x)=f(x0)f(x)h(x0)h(x)=enf(x0)enf(x)=en(f(x0)f(x))

である。

テンプレート:Mvar が大きくなるにつれて テンプレート:Mvar の比は指数的に大きくなる一方で テンプレート:Mvar の比は変化しない。したがって、関数の積分における支配的な寄与は点 テンプレート:Math近傍における点 テンプレート:Mvar のみから来るため近似ができる。

厳密な主張

テンプレート:Math は区間 テンプレート:Math 上の二回連続微分可能な関数で、ある点 テンプレート:Math でのみ

f(x0)=maxaxbf(x),f(x0)<0

を満たすと仮定する。このとき

abenf(x)dxenf(x0)2πn|f(x0)|(n)

である[1]。(ここで テンプレート:Math は両辺の比が テンプレート:Math の極限で テンプレート:Math に収束することを意味する。)

他の定式化

ラプラスの方法は

abg(x)enf(x)dxg(x0)enf(x0)2πn|f(x0)|(n)

と書かれることもある。

例:スターリングの公式

ラプラスの方法はスターリングの公式

n!nnen2πn(n)

の導出に用いることができる。ガンマ関数の定義から

n!=Γ(n+1)=0ettndt

が得られる。変数変換 テンプレート:Math を考えると テンプレート:Math ゆえ

n!=0enx(nx)nndx=nn+10enxxndx=nn+10enxenlnxdx=nn+10en(lnxx)dx.

この積分はラプラスの方法が適用できる形である。いま テンプレート:Math とおけば、これは二階微分可能で、

f(x)=1x1,f(x)=1x2.

よって関数 テンプレート:Math は点 テンプレート:Math でのみ最大値 テンプレート:Math をとり、テンプレート:Math である。したがって

n!nn+1en2πn=nnen2πn(n)

となる。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:PlanetMath attribution