ローブ空間
ナビゲーションに移動
検索に移動
数学におけるローブ空間(テンプレート:Lang-en-short)は超準解析に基づきテンプレート:仮リンク(1975)によって導入された測度空間の一種である。
構成
ローブの構成では、はじめに内的集合体 から超準実数 への内的有限加法的測度 を考える。 を の標準部を与える写像と定義することで、 は から拡張実数 への有限加法的測度となる。たとえ が超準的な σ-代数だとしても、 は一般には可算和で閉じないので、通常の意味でのσ-代数になるとは限らない。その代わりに、代数 は「 の元が の元の可算族の和集合であるならば、その集合は実際にはその族の有限個の元の和集合である」という性質を持ち、したがってとくに、 から拡張実数へのいかなる有限加法的写像(例えば )も自動的に可算加法的となる。いま を で生成されるσ-代数とする。カラテオドリの拡張定理より、 上の測度 は 上の可算加法的測度に拡張される。これをローブ測度と呼ぶ。これをさらに完備化したものもローブ測度と呼ぶ。
例
を超有限集合とし、 を の内的部分集合全体の成す集合(*冪集合)とする。このとき、内的な有限加法的確率測度(数え上げ測度) が
で定まる。これをもとに作られたローブ測度を で表す。このとき は確率空間を成す。
いま として なる超有限集合を考える。ここで は無限大超自然数である。また を標準部関数(有限超実数をそれと無限に近い実数に写す)とする。このとき がルベーグ可測であることと、 がローブ可測であることとは同値であり、
が成り立つ。ここで左辺の はルベーグ測度である。