亜硫酸

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亜硫酸(ありゅうさん、sulfurous acid)は、化学式 H2SO3 で表される硫黄オキソ酸で、二酸化硫黄水溶液中に存在するとされる酸である。分子量 82 。酸性雨に含まれる物質の1つである。

遊離酸は不安定なため単離できない。古くは水溶液としては存在するとされていたが、ラマンスペクトルにおいて (HO)2SO という構造を持つ化合物が全く検出されないことから、実際には水溶液中での平衡は以下のようなものであると考えられている[1]

SOA2 +HA2OHA+ +HSOA3A

この反応の平衡定数は K1 = 1.3 × 10−2 である。また、水溶液中では、亜硫酸水素イオンは2量化した構造との平衡にある[2]

2HSOA3A OA2SSOA3A2 +HA2O

亜硫酸イオンは溶存酸素と反応し、硫酸イオンとなる。

2SOA3A2 +OA2 2SOA4A2

Category:亜硫酸塩も参照

亜硫酸のは安定である。この性質は炭酸に似ている。水溶液中では溶存酸素と反応するため、脱酸素剤として利用されている。

結晶構造およびラマンスペクトル[3][4]から、亜硫酸水素イオンには水素原子が硫黄原子についた構造 (テンプレート:Chem)と水素が酸素原子についた構造(テンプレート:Chem)の異性体が存在し、溶液中では相互変換により両者の比率が温度に依存して変化することが明らかとなっている。

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:水素の化合物 テンプレート:硫黄の化合物 テンプレート:酸性雨

テンプレート:Normdaten

  1. Jolly, W. L. (1991). Modern Inorganic Chemistry (2nd ed). McGraw-Hill: New York. ISBN 0-07-112651-1.
  2. Connick, R. E.; Tam, T. M.; von Deuster, E. (1982). "Equilibrium constant for the dimerization of bisulfite ion to form disulfite(2-) ion". Inorg. Chem. 21: 103–107. DOI: 10.1021/ic00131a020
  3. Simon, A.; Kriegsmann, H. (1956). Chem. Ber. 89: 2442.
  4. Littlejohnm D.; Walton, S. A.; Chang, S.-G.; (1992). Appl. Spectroscopy 46: 848.