反復積分に関するコーシーの公式

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フランス数学者コーシーの名にちなむ反復積分に関するコーシーの公式テンプレート:Lang-en-short)は、n回の不定積分を一度の積分にまとめる公式である。:

f(n)(x)=1(n1)!ax(xt)n1f(t)dt

実数の場合

f を実軸上の連続関数とする。このとき、aを基点とするfn回繰り返し積分

f(n)(x)=axaσ1aσn1f(σn)dσndσ2dσ1,

は、次の単一の積分にまとめられる。

f(n)(x)=1(n1)!ax(xt)n1f(t)dt.

証明は数学的帰納法による。f は連続なので、n=1のときは微分積分学の基本定理より、

ddxf(1)(x)=ddxaxf(t)dt=f(x);

ここで、

f(1)(a)=aaf(t)dt=0.

今、nのとき主張が正しいと仮定し、n+1のときも主張が成立することを示そう。帰納法の仮定を適用し、積分の順序を入れ替えて、

f(n+1)(x)=axaσ1aσnf(σn+1)dσn+1dσ2dσ1=1(n1)!axaσ1(σ1t)n1f(t)dtdσ1=1(n1)!axtx(σ1t)n1f(t)dσ1dt=1n!ax(xt)nf(t)dt

よって、主張は示された。

応用

分数階微積分学において、この公式を用いることで、微分または積分を実数回繰り返すことができるので、テンプレート:仮リンクの概念を構築することができる。実際、実数回だけ積分をするためには、この公式の(n-1)!をΓ(n)と入れ替えれば良い。(ガンマ関数も参照)。

参考文献

  • Gerald B. Folland, Advanced Calculus, p. 193, Prentice Hall (2002). ISBN 0-13-065265-2

外部リンク