恒真式

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テンプレート:Otheruses 恒真式(こうしんしき、トートロジーテンプレート:Lang-en-short、ギリシャ語のテンプレート:El「同じ」に由来)は、論理学の用語で「aであるならばaである(a → a)」「aである、または、aでない(a∨¬a)」のように、そこに含まれる命題変数の真理値、あるいは解釈に関わらず常にとなる論理式のことである。

恒真式の否定は、変数の値にかかわらず常にとなる式、すなわち矛盾である。

命題論理

命題論理において、命題を記号化したものが論理式であるが、論理式を構成している、最も単純な文に相当する要素式の真偽値の取り方に関係なく常に真(恒真)となる論理式が存在し、それらはトートロジーもしくは恒真式と呼ばれるテンプレート:Sfn。真にも偽にもなりうる論理式を整合式(テンプレート:Lang-en-short)、恒に偽になる論理式を恒偽式もしくは矛盾式(テンプレート:Lang-en-short)という。

述語論理

述語論理においては、トートロジーを考える事はないが、同様な概念を考える事ができる。論理式が、全ての解釈にたいして真になるとき、この論理式は恒真 (validity) で、妥当式 (valid wff) になる。少なくとも一つの解釈で論理式が真になるとき、この論理式は充足可能 (en:Satisfiability) で、充足可能式 (satisfiable wff) になる。全ての解釈で論理式が偽になるとき、この論理式は充足不可能で、矛盾式 (contradictory wff) になる[1]テンプレート:Sfn

定義と例

ここでは古典命題論理における恒真式の定義を述べる。Val を命題変数の全体とする。f:Val{,} なる写像、すなわち命題変数への真理値割り当てを考える。は恒真、は矛盾。次のようにして f の始域を論理式の全体 Fml に拡張する(右辺の ¬ は論理記号ではなく {,} 上の 演算である):

  • f(αβ):=f(α)f(β)
  • f(αβ):=f(α)f(β)
  • f(¬α):=¬f(α)
  • f(αβ):=f(α)f(β)

このようにして得られる写像 f:Fml{,} を付値という。任意の付値 f に対して f(α)= となるとき、α を恒真式という。

古典論理の上で、次の論理式は恒真式である。

  • ¬(α¬α)
  • α¬α
  • (αβ)(¬β¬α)
  • ¬¬αα
  • ¬(αβ)(¬α¬β)
  • ((αβ)(βγ))(αγ)


主な恒真式として、同一律排中律矛盾律二重否定の法則、巾等律、交換律結合律分配律吸収律ド・モルガンの法則対偶律選言的三段論法前件肯定式、推移律、移入律、テンプレート:仮リンク縮小律、拡大律、テンプレート:仮リンクなどがあるテンプレート:Sfn

恒真式である確認

命題論理

ある式が恒真式であるかどうかを確認することは命題論理の基本である。一般に、真理値表をつくって真理値分析を行う作業になる。命題変数がn個存在する場合2n通りのケースを調べればよい。 例えば α(βα) であれば次の4通りのケースを調べる。

α β βα α(βα)
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次のようにして、代数的な式変形によっても確認できる。

α(βα)=¬α(¬βα)=(α¬α)¬β=¬β=


テンプレート:See also

脚注

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参考文献

関連項目

外部リンク 

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